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「登山はくさい」からの脱却。ニオイ対策と解決法

登山は汗くさい。そんなの当たり前。
登山をする以上は避けて通れないよね、と受け入れている人が大多数だと思います。
でもこの汗くささ、ちょっと厄介です。自分が不快なだけでなく、知らず知らずの間に、仲間のテンションを下げてしまっているかもしれないからです。
数ある汗の不快感のなかで「自分では気付きにくい」という点も悩ましい。
電車やバスなどの交通機関の中、登山帰りの人のニオイが気になった方も多いのではないでしょうか。登山者の誰もが知らず知らずのうちに悪臭を振りまいてしまう可能性があります。
自分のため、そして仲間のために。登山者のニオイのエチケットのおはなしです。

登山は汗くさい

写真:登山中の汗が放つにおいのイメージ

登山は汗くさい。
気にする・しないはともかく、登山者なら誰もがうなずいてしまう事実だと思います。

登山は長時間、大量の汗と付き合いながら歩くスポーツ。
下界ではほとんどニオわない人でも、登山ではそうもいきませんよね。

汗くささが与える影響

汗が引き起こす不快感はさまざまです。
そのなかで「汗くささ」=汗のニオイは、ほかの不快感と少し種類が違っています。

写真:グループ登山で同じグループの人へ汗くささが迷惑かけていないか心配している

  • ウエアが濡れて冷える → 【自分ゴト】
  • シャツやトレッキングパンツが肌に張り付いて動きづらい → 【自分ゴト】
  • 胸元やヒザの裏がベタつく → 【自分ゴト】
  • 汗くさい → 【自分ゴト&他者ゴト】
  • ひょっとして汗くさいかも?と心配 → 【他者ゴト】

自分自身が不快なだけでなく、自分以外の誰かに影響を与えてしまう。それが「汗くささ」=汗のニオイの厄介な点ではないでしょうか。
汗くさいからと言って、登山の安全性が左右されることはありませんし、運動効率が低下するわけでもありません。でも、仲間や周囲の登山者の心地いい時間に水を差す危険性をはらんでいる。
それが汗のニオイの不快感といえます。

finetrackスタッフの過去の体験談

スタッフA

学生時代、仲間と行った山の帰りにコンビニに入ると、店内にいた女子高校生たちが一斉に顔を歪めて逃げていった。そのときはじめて「あ、自分はくさいんだ」と我に返った。ショックだった…

スタッフB

男4人の山歩き。夕刻の下山だったため下山後に入浴できず、帰りの車の中はえげつないことに。ニオイに閉口して窓を全開にして運転した

スタッフC

テント泊をともにする友人に、面と向かって「めちゃくさい!」と言われた。テントの外で汗に濡れたシャツと靴下を脱いで着替え、一晩テントの前室に置いておくことに。自分の汗くささをハッキリ自覚させられた山行だった。

スタッフD

登山をはじめて間もない頃の金峰山。登山口から歩き始めたらすぐ、下山してくるグループとすれ違った。そのときのニオイが強烈で、ありえないよ~と友人と話していたのですが……。下山して気付いたのですが、自分が着ていた服も激クサになっていました……

過去、汗のニオイの加害者となるエピソードの多かったfinetrackスタッフ… その事実とうらはらに、アンケートでは、こんな結果も出ています。

Q:同行者や近くを歩く登山者のニオイ(汗くささ)を不快に感じることはありますか?

不快に感じることが「ある」77%
結果グラフ:よくある20%、たまにある57%、あまりない17%、全くない6%
【 finetrackスタッフ30人に行ったアンケート 】

ニオイケアで心地よい山の時間を

山の中で汗くさいのは、お互いさま。
とはいえ、じつのところやっぱり、他人のニオイは気になるし不快に思ってしまう。
そんな人は多いのではないでしょうか。

汗くささを軽減できれば、登山をより楽しく心地よい時間にできます。
ニオイが少なくなれば、山小屋やテント泊での着替えが不要になるので、軽量化にもつながりますよね。

汗くささは、完全になくすのは難しくても、ポイントを押さえれば軽減できます。
山でもできる、ニオイケアを考えてみましょう。

ニオイの元は、汗、皮脂、細菌

汗腺から出たばかりの汗は、ほぼ無臭といわれています。
ですが、そのまま放っておくとニオイが発生し、汗くさくなります。
肌の表面ではこんなことが起きています。

図解:汗と皮脂と細菌の肌表面での様子

  • 1.汗が、肌の表面やウエアに付着した皮脂・汚れと混ざり合う
  • 2.肌やウエアにいる細菌が、これをエサにする
  • 3.細菌がエサを分解することでニオイ物質が発生、汗くさくなる

汗、皮脂・汚れ、細菌の3つの条件が揃うと、ニオイが発生します。
そこで、2つのアプローチでニオイの抑制を考えましょう。

アプローチ1:細菌の増殖を抑える(抗菌)
アプローチ2:汗と皮脂が混ざり合わない環境をつくる(細菌のエサをつくらない)

アプローチ1:細菌の増殖を抑える(抗菌)

抗菌防臭ウエアを着る

肌に近い場所に着る、登山用の速乾性ウエア(ベースレイヤー)は、多くが抗菌防臭加工がされています。中には、メリノウールやシルク混紡などで、天然繊維のもつ抗菌防臭性を生かしたウエアも多くつくられています。
抗菌とは、菌の繁殖を抑える効果。殺菌ほど強力ではありませんが、抗菌防臭機能を備えたウエアを着ることで、一定の効果が得られます。

アプローチ2:細菌のエサをつくらない

細菌のエサは、皮脂や汚れが汗と混ざり合ったもの。
細菌のエサを作らないためには、

【ウエア】吸った汗を速く乾かす
【肌の表面】汗をとどまらせない

の2箇所でドライな環境を作ることがニオイ予防になります。
それぞれの具体策をご紹介します。

写真:メッシュ(スキンメッシュ)と速乾性ウエア(ベースレイヤー)

1)高機能な速乾性ウエアを着る

肌に近い場所に着る速乾性ウエア(ベースレイヤー)は、高機能なものを選びましょう。
水を垂らしたとき、スッと水を吸い込む「吸汗性」。
吸い上げた水を生地表面に拡げる「拡散性」。登山専用につくられたシャツは、この2つの機能に優れています。
汗をみるみる吸い上げ、みるみるウエアの表面に拡げ(表面積を増やして)、速く乾くように作られています。

2)メッシュの撥水下着を着る

肌の表面に汗がとどまらないよう、専用に作られた登山ウエアが、メッシュの撥水下着です。
肌に直接着て、その上に速乾性ウエアを着ます。
細かなメッシュの孔を通って、汗が速乾性ウエアに抜けていく仕組みです。
汗の抜けがよく、また、汗を吸った速乾性ウエアが直接肌に触れないため、肌の表面をドライに保つことができます。

「ただ着るだけ」のニオイケア

登山では、荷物を最小限にしたいもの。ですので、「山でもできるニオイケア」では、荷物を増やさず「ただ着るだけ」の3つの方法をご紹介しました。

肌の表面やウエアをドライな環境におくことは、ニオイだけでなく、ベタつきや防寒にもつながりますので、ぜひ取り入れてみてください。

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汗ふきシートの効果

写真:市販の汗拭きシート

汗のニオイ対策のために携行する人も多い汗ふきシートは、このような仕組みで汗くささを取りのぞいています。

<皮脂を除去>
シートの組織(凸凹など)や、ふき取り性のいい薬剤(化粧水)で皮脂をふき取る

<菌を除去>
除菌成分を配合

<ニオイを消臭>
消臭成分、香料を配合

大量の汗と汚れがつきまとうアウトドア環境や、広く全身をふくことを想定して作られてはいませんが、たしかに機能的には汗くささを取り除くことができます。

ただし登山行動中に有効活用できるシーンがなかなか少ないのが難点です。
行動中は、肌が露出している部分しかふき取れないので、体幹部分の汗くささを消し去ることができません。

登山行動中の実用的な汗のニオイケアは、汗をふき取ることではなく、汗の処理をしっかり行うこと。

テントの中や下山後のトイレなど、外部から遮断された状況なら全身をふけますので、汗ふきシートは、1日の行動を終えた後や下山後のエチケットとして有効活用するのが良さそうです。

登山のニオイケアは、自分そして仲間のため

写真:仲間と歩く山行のイメージ

自分では気付きにくいニオイですが、汗のたまりやすい場所がベタベタしていたら要注意です。細菌が発生しにくいドライな環境をつくるよう、気にかけてみてください。

登山は汗くさい。そんなのしょうがない、とされていたのは過去の話。
現代ではさまざまな機能性を持った素材が登場していて、身につけるウエアを工夫するだけで、汗くささをある程度まで軽減できます。

自分は汗くさいのではないか、と心配な人も、山ではお互いさまでしょ、と考える人も、自分のため、そして仲間のために、できることから始めてみませんか?

汗くささが軽減できれば、登山中はもちろん、下界に降りた後のアフター登山も、より心地よい時間に変わります。
居酒屋で祝杯をあげたり、山麓のグルメを味わったり、おみやげをゆっくり選んだり。混雑したバスや電車の中でも肩身の狭い思いをせずに済みますね。

ドライレイヤー®ベーシック

登山の「汗くささ」を、ただ着るだけで軽減できるメッシュ下着です。
速乾性シャツの下に1枚着るだけで、荷物を増やすことなく、ニオイケア。finetrack独自の撥水技術で、ニオイ、ベタつき感、汗冷えの解消に効果があります。
山をもっと心地よく歩きたい方に!

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