ドライ、だから温かい ドライを重ねる 5レイヤリング

ストレッチ × LONG-LIFE
次世代型 防水透湿メンブレン

エバーブレス®は、登山で必要とされる耐水圧(20,000mm)と最高レベルの耐久撥水性と透湿性、さらに豊かなストレッチ性を備えるfinetrackオリジナルの防水透湿メンブレンです。

動きやすく、ドライが続く、日本生まれのLong-Lifeシェル

特長features

機能を長期間維持する次世代防水透湿メンブレン

降雨時の登山の際、動いたり手足をつくなど瞬間的に圧力がかかる状況で、必要とされる耐水圧は一般的に10,000mm以上といわれています。エバーブレス®はその2倍の耐水圧20,000mm以上を備え、それを長期にわたって維持する設計をしています。

防水耐久性テスト(当社試験データ)

防水耐久性テストグラフ

持続する透湿性

「実着用における実感」を重視した透湿性は最高レベルの数値を備え、雨などで濡れても高い透湿性を維持します。

※エバーブレス®透湿性:10,000g/m2・24hr(A-1法)
※エバーブレス®3D透湿性:6,000g/m2・24hr(A-1法)

【濡れた状態の透湿性能維持テスト】

エバーブレス®は「濡れた時」と「乾いている時」で、透湿性能に大きな変化は見られない。これは、生地が汗や雨で濡れてしまっても、透湿性をしっかりと発揮することを表しています。

透湿性能維持テスト結果グラフ

表と裏に備わる強力な撥水加工

エバーブレス®は、生地の表側だけでなく、裏側にも強力な撥水加工を施しています。特に裏撥水は、finetrackならではと言っても過言ではない仕様です。
行動中の汗や蒸れ、さらに外からの雨の浸入でシェルの裏側が濡れてしまう状況でも、裏地の撥水性によって機能低下を及ぼす「水膜」ができず、透湿性を持続することができます。

実際の着用感を想定した快適さ

finetrackでは、透湿性能の評価方法として、JIS L 1099 A-1法を採用しています。これは空気層から空気層に透湿した水蒸気量を測定するもので、最も実着用時に近い方法といえます。A-1法による透湿性能値としては、10,000g/m2・24hrという数字はトップクラスの数値です。
透湿性能の測定方法として一般によく使われるのはJIS L1099 B-1法。膜をはさんで水から酢酸カリウム溶液への透湿値を測定するもので、膜が直接水に接するため(特に親水性の高いポリウレタン無孔質膜ではかなり)高い値が出ます※。エバーブレス®では、膜が吸水する短時間の値から評価するB-1法ではなく、「実着用における実感」を重視してあえてA-1法による表示を採用しています。

実際の着用感を想定した快適さ

※B-1法では高い数値が出るが、実着用ではかなり蒸れ感をおぼえる素材も多い(このような素材は、A-1法で測るとたいてい低い値しか出ない)。

豊かなストレッチ性

エバーブレス®は、防水透湿メンブレン自体が豊かなストレッチ性を備えており、重ね合わせる表地や裏地のストレッチ性を損なうことなく、しなやかな風合いと着用感を叶えます。

主なエバーブレス®
プロダクト
ヨコストレッチ タテストレッチ
エバーブレス® フォトン 130%
エバーブレス® アクロ 121% 112%
エバーブレス® スノーライン 127% 127%

耐劣化性

加水分解による劣化スピードが極めて遅いポリカーボネート系ポリウレタンを採用しているため、水だけでなく紫外線や高温といった外的要因にも耐久性が高く、経年劣化による防水性の機能低下を抑えています。

テクノロジーtechnology

素材 material

ストレッチ性と耐久性を叶える
「ポリカーボネート系」ポリウレタン

ファイントラックの独自素材「エバーブレス®」は、ポリカーボネート系ポリウレタンを主原料とした防水透湿・多孔質膜です。

「ポリカーボネート」とは、カーポートの屋根や自動車のヘッドライトカバーなどに多用される透明な樹脂でありながら、高強度で加水分解や劣化しにくい、まるで強化ガラスのように硬いプラスチック素材です。
そんな、およそウエアからかけ離れているように思える「ポリカーボネート」ですが、堅牢性がありながら、引き伸ばすことができるストレッチ性を備え、かつ劣化スピードが極めて遅い耐劣化性などアウトドアで必要となる性能を兼ね備えたとてもユニークな素材なのです。その、特性を引き継げるよう、ポリカーボネートの分子構造をメンブレン(膜)に応用できないか?アウターシェルの「堅牢性」を叶えながら「ストレッチ」も生めないか? その一心でメーカーへ交渉し、開発が叶ったfinetrackオリジナル素材です。

機能 function

機能バランスに優れる「エバーブレス®

  耐水性 透湿性 ストレッチ性 耐劣化
エバーブレス®
(ポリカーボネート系PU多孔質膜)
ポリウレタン(PU)系多孔質膜
ポリウレタン(PU)系無孔質膜
フッ素樹脂(ePTFE)系多孔質膜

一般的な防水透湿メンブレンの主な素材には、ポリウレタン系(PU)多孔質膜と無孔質膜、フッ素樹脂(ePTFE)系多孔質膜などがあります。ポリウレタン系は、ストレッチ性と透湿性を備えていますが、加水分解による経年劣化に弱いという弱点があります。フッ素樹脂(ePTFE)系は、テフロンに代表されるフッ素樹脂の薄い膜を積層してできており、透湿性が高い一方でストレッチ性が劣り、着用時につっぱり感を感じやすい素材です。

3つのエバーブレス® シリーズ

「エバーブレス®メンブレン」の豊かなストレッチ性を最大限活かしながら、フィールドでしっかり使える強度と携行しやすい軽さ、さらに快適な着心地を兼ね備えた3種のエバーブレスファブリックを開発しています。

EVERBREATH®
エバーブレス®

エバーブレス®メンブレンの表面と裏面をそれぞれ生地でラミネートした3層構造で、強度と耐久性に優れます。表面や裏面の生地を最適化することで、それぞれのシーズンやアクティビティに対応させています。

図:エバーブレスの3層構造。表側 ストレッチ生地、中 エバーブレスメンブレン、裏側 ニット生地
性能評価(5点満点)ストレッチ 4、コンパクト 3、耐水圧 5、透湿性・通気 4

EVERBREATH® (エバーブレス®
プロダクト

EVERBREATH® 3D
エバーブレス® 3D

特殊2.5レイヤー構造の防水透湿生地。エバーブレス®コーティングの裏面に特殊な配合で立体化した3Dドットを配しています。3レイヤー構造に比べて軽くコンパクトになりながらも、十分な強度も備えます。

図:エバーブレス3Dの2.5層構造。表側 ストレッチ生地、中 エバーブレスコーティング、裏側 3Dドット
性能評価(5点満点)ストレッチ 3、コンパクト 5、耐水圧 5、透湿性・通気 3

EVERBREATH® 3D (エバーブレス® 3D)
プロダクト

EVERBREATH® AIR
エバーブレス® エア

高い透湿性と防風性、耐水性を担うL4ミッドシェル®専用エバーブレス®メンブレンを中間層に配し、その表側と裏側を2種類のニット地でラミネート。L4ミッドシェル®に採用されており、長時間の着用にもストレスを感じないストレッチ性を備えます。

図:エバーブレスエアの3層構造。表側 ニット生地(ナイロン素材)、中 ミッドシェル専用エバーブレスメンブレン、裏側 ニット生地(ポリエステル素材)

※フロウラップ®EXPは、保温素材内蔵により、エバーブレス®エアメンブレンの裏地を除いた2層構造です。

性能評価(5点満点)ストレッチ 5、コンパクト 4、耐水圧 3、透湿性・通気 5

EVERBREATH® AIR (エバーブレス® エア)
プロダクト

開発の背景background

ゴワゴワなシェルはもういらない。-L5開発の背景-

エバーブレス生地イメージ

長い急峻な道のりを前にアウターシェルを身につけるとき、その一着に何を求めるでしょうか。雨風が吹きつける岩稜を進むとき、アウターシェルが貢献できるのは、防水・透湿、それだけでしょうか…
防水・透湿はあたりまえ。さらなる山岳リスクの軽減のため、エバーブレス®が目指したのはゴワゴワなシェルからの脱却。「動きやすさ」の追求でした。

ゴム引きやアクリル引き、塩ビ引きの素材が主流だった40年以上前のアウターシェルはゴワゴワで、透湿性などはなく、ただ水を防ぐだけでした。動きにくく、さらにウエア内は蒸れて不快以外の何物でもなく、雨を凌ぐためだけに仕方なく着るアウターシェルでした。
そのあとに登場してきたのが、水は通さないけど蒸気は通すという孔を多数もった防水透湿素材でした。これによって、ウエア内の蒸れは格段によくなりましたが、着心地はまだゴワゴワなままで、天候が悪化すれば着るといったようなものでした。
そのゴワゴワなアウターシェルを着たまま、ただでさえ緊張を強いられるナイフリッジやクサリ場を通過したりするのは、リスクが高まります。長期縦走などのロングディスタンスでは身体にストレスが掛かり、疲労も蓄積されやすくなってしまいます。 雨が降りやすい日本ではアウターシェルの出番は多くなるため、大きな身体の動作にも追従する動きやすさは欠かせない機能です。
また、アウターシェルは雨を凌ぐためだけではなく、風から身を防いだり、身体を保温したりするのに有効なため、積極的に着ることができる快適な着心地も重要です。

防水透湿メンブレンの主な素材には多孔質系ポリウレタンと無孔質系ポリウレタン、多孔質系フッ素膜があります。ポリウレタンは、いずれも豊かなストレッチ性と透湿性を備えていますが、加水分解による経年劣化に弱いという弱点があります。湿潤環境の日本では、経年劣化への耐性も大きな課題です。さらに無孔質系ポリウレタンには膜強度にも難点があります。一方、フッ素系の防水透湿膜は加水分解への耐性は備えますが、ストレッチ性はほとんどありません。どれも一長一短。そこで、ファイントラックは理想的なアウターシェル創りヘの第一歩として「劣化しにくく、ストレッチする防水透湿メンブレン」という新たな開発に取り組みました。

促進耐候性試験機を用いて防水性能の維持を評価。人工的に紫外線、雨、高温多湿に連続してさらしている。

まず、豊かなストレッチ性と耐久性を実現するための素材として「ポリカーボネート系多孔質ポリウレタン」に辿り着きました。しかし、一番の課題はフィールドでの実着用を想定した防水透湿性を実現することです。それを大きく左右するのがメンブレンの厚みと孔の大きさや数。厚過ぎると重たくなり、孔が大きすぎると水が通ってしまう。幾度となくトライアル&エラーを繰り返してその絶妙なバランスを導き出し、「エバーブレス®メンブレン」を開発することができました。

長時間霧雨にさらす防水性試験。日本の山岳環境でよくある過酷な長雨山行を想定して実施。

つぎに、貼り合わせる生地の開発に着手。「メンブレン(防水透湿膜)」に生地を貼り合わせることで「ファブリック(生地)」にして、アウターシェルへと仕立て上げますが、貼り合わせる生地次第でその性格は大きく変わります。「メンブレン」がストレッチするのに、貼り合わせる生地がストレッチしなければ、結果としてストレッチしない「ファブリック」になってしまうからです。

丸編みニットの裏地を張り合わせ、しなやかな着心地の「エバーブレス®」(エバーブレス®フォトンなどに採用)

目指したアウターシェルは「エバーブレス®メンブレン」の豊かなストレッチ性を最大限活かしながらも、フィールドでしっかり使える強度と携行しやすい軽さ、それに快適な着心地も兼ね備えたモノ。なん通りもの表地と裏地の組み合わせのなかから、それぞれのアクティビティに理想的な「エバーブレス®ファブリック」を追求。ストレッチする布帛の表地と丸編みニットの裏地で張り合わせたオールラウンドタイプの「エバーブレス®」。ストレッチする布帛の表地にエバーブレス®をコーティングして、その上に3Dドットをプリントした特殊2.5レイヤー構造で軽量コンパクトタイプの「エバーブレス®3D」を完成させました。

3Dドットをプリントした特殊2.5レイヤー構造の「エバーブレス®3D」(エバーブレス®レグンに採用)

「エバーブレス®ファブリック」は、たしかな耐水圧と持続し続ける透湿性を備え、驚異的なストレッチ性と加水分解への耐久性も兼ね備えています。これは、世界No.1の技術をもった繊維メーカーと、フィールドでの経験をもったファイントラックが二人三脚のような開発体制だからこそ実現できた、これまでにない全く新しい防水透湿素材です。