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9/242021

<9月のスタッフお気に入り>短所は使いよう、長所は余りある!開発者が語る「異端児」テント

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finetrackスタッフの、季節のフィールドでのお気に入りアイテムを定期的にご紹介。
今回のアイテムは、2020年に登場したカミナ®ドームの弟分テント。使い手であり、開発者でもあるスタッフに話を聞きました!

短所は使いよう、長所は余りある!開発者が語る「異端児」テント

記事: finetrackスタッフ 企画開発課 相川 創

夏が終わり、沢やキャニオニングなどの真夏のアクティビティから、クライミングやキノコ狩り、そしてその先のスキーへとだんだん心が向く時期となりました。
そんなアクティビティで1年中さまざまな場所でテント泊をしていますが、この時期はちょうどよい気温で快適に寝られる特に好きな季節でもあります。

私はテントというギアが大好きで、トンガリテントに、シングルウォールに、ダブルウォール、様々なタイプのテントをあらゆるフィールドで使ってきました。
そんなテント、finetrackでいえば「カミナ®ドーム」が真っ先に挙がります。おかげさまで、最近は山で目にすることがとても多くなりました。手前味噌ではありますが、カミナドームはこれ一張りあればどこでも行けちゃう、素晴らしい汎用性を持ったテントであると、遊び手として、そして開発者として自信を持って言えます。

でも、今回紹介したいのは、その兄弟テントで「研ぎ澄まされた一張り」とでも言うべきコンセプトで開発した「カミナ®モノポール」です。

その特長は「2人用で1㎏を切る軽量性×山岳シーンでの耐風・耐候性」ですが、
「シングルウォールに非自立式のテントって、使いこなせるかな?使い勝手が悪いのでは?」と、尻込みしている人も多いのではないかと思います。

正直、初めてのテントとしてはお勧めはしません。

でも、私はこれがマッチするシーンではカミナモノポールを選びます。テントをいろいろと使って、それぞれのメリット・デメリットを感じている方には、他のテントにはないこの使い勝手のよさを必ず共感してもらえると思います。

カミナ®モノポールの詳細はこちら>>

<私がカミナ®モノポールを選ぶわけ>

1.私的に、冬山にベストな軽量性×耐風性のバランス
こんな軽量テントが冬山に耐えられるの?って思う人も多いでしょう。
でも実はこのカミナ®モノポール、風速30mの耐風試験にも合格していて風にもめっちゃ強いんです。
そんなことから、私は荷物の増える冬のアルパインやBCスキーなどでガンガン使っています。冬こそ荷物を減らしたいですからね。

そして、知っている人は知っていると思いますがシングルウォールテントって、結露や霜の処理がしやすい(後述)ので意外と冬山で使いやすい。(ただ、もちろんダブルウォールテントよりは寒いですよ。そこはちょっとの我慢!)

ベーシックに冬山での快適性を求めるなら、ダブルウォールかつ冬用のオプションも豊富なカミナ®ドームの方がおすすめです。ただ、少しでも荷物を減らしたい冬のアルパイン、BCスキーでもっと軽いものをと考えたとき、クロスポールのシングルウォールテントでは重く嵩張り、軽量コンパクトに特化したテントは耐風・耐候性が頼りない。
1㎏を切る重量ながら冬でも安心して使える耐風性を備えたこのテントが、私的にベストバランスです。

2.中が広い!
モノポールタイプ(ポールが1本のタイプ)のテントは、テントの隅の広さを保つことが難しいですが、カミナ®モノポールはポールを対角線に渡している効果で、この弱点を「まずまず」克服しています。「まずまず」というのはポールの入っていない隅は物理的にはもちろん狭いですが、入って使ってみるとクロスポール構造とそう変わらないと感じてもらえると思います。

ただ、隅が狭いと特に不快に感じるのは就寝時横になったとき。でも、カミナ®モノポールなら対角線上のポールの側を頭にして寝れば狭さはほとんど感じません。2人で寝るときでも、ポールの側を頭にして互い違いに寝れば解決!

中が広いと快適なことは無雪期はもちろんのこと、冬山は特に荷物が増えるうえに金物以外のギアも全部テントに放り込みますので、居住性の悪いテントはちょっときつい。でも、カミナ®モノポール2なら二人でも冬山で普通に使えています。


3.シングルウォールなのに「前室」がある!

私は個人的には、一般的なシングルウォールテントの最大の弱点・使い勝手の悪さって「前室」がないことだと思ってます。

その理由の1つめは、換気の悪さ。
シングルウォールテントの場合、1枚の生地で防水性や保温性を確保する必要がありますので、ダブルウォールテントのインナーより密な本体生地を使います。そうすると、特に悪天時は出入口で換気ができず、ベンチレーションひとつに頼らざるえないので、暑いし息苦しくなります。(実際、シングルウォールテントの入り口を完全に締め切った状態で寝ると、朝起きた時なんとなく息苦しさを感じると思います。)

2つめは、靴の置き場所。
雪払いをしたのちテント内で靴を脱ぎ履きをする人が多い冬山ならまだしも、夏山では靴をどこに置いたらいいの~って思いますよね。私の場合、無雪期はアルパインで道なき道を進むことが多いせいか、靴がドロドロになりがちで、そんな靴をテントに入れるのが好きではない。悪天で、靴を入れる袋を忘れた日には最悪!

そして3つめに雨の日の出入り。
雨男のせいか山行ではかなりの確率で雨にあたるのですが、そんなとき、シングルウォールでは出入りの際にテント内が濡れるし、例のドロドロの靴を履く場所にも困る。

これらはちょっとしたことではありますが、長期山行では休息するはずの時間での小さなストレスが積み重なると大きなストレスとなっていきます。

そういったこともあって、カミナ®モノポールの開発にあたっては、前室を設けることにはこだわりました。一般的なダブルウォールと比べて小さくはありますが、靴をどこに置くか悩む必要はないし、前室に加えて入り口をメッシュにできる仕様にしたことで、より換気もしやすくしています。

4.実は設営も早くて簡単
確かに、ペグダウンができず、石で固定も難しい固い地面などで張ることはこのテントは向いていません。誰が張っても同じ形になるクロスポールタイプのテントと比べて、少しの慣れは必要です。
でも、固定手段さえあれば、実は設営もけっこう早いんです。フライシートがないですし、ポールも一本しかないですからね。

意外かもしれませんが、特に吹雪などの風が強い時こそ張りやすいと感じます。クロスポールタイプのテントは、ポールを通してからテントを地面に固定する必要がありますが、カミナ®モノポールは先にフロアから固定して設営するので、風にあおられるテントに苦労することなく、しっかり張れます。

張り方は、ぜひ動画を見てみてください。冒頭1分ほども見てもらえれば、設営のイメージがつかめると思います。

★結露とは付き合い方次第
シングルウォールテントの欠点としてよく挙げられるのが「結露」。
この点については、さきに挙げた換気のしやすさから一般的なシングルウォールテントよりは予防しやすいと思います。でも、湿度が低いとか、風が吹いているときなどはカラっと保てる時もありますが、シングルウォールテントなので、まあ、結露はすると思ったほうが良いです。ただ、シングルウォールテントの結露の処理は結構簡単です。

ダブルウォールテントは結露しにくい、と言いますが、これは「インナーテントに」結露しにくいというだけでフライシートはべっとり結露しますよね。ダブルウォールだと張ったままでは結露の処理がしにくいので、特に冬はフライがバリバリに凍ったり部分的に霜がついて重くなって垂れ下がってきたりします。

その点、シングルウォールテントは結露に簡単に手が届くので、拭き取ってしまえばいいんです。ちなみに拭き取り用には、セーム革※が一押し!(※絞ると何度でも拭き取れるタオルみたいなもの)

上で「冬山で使いやすい」って書いたのはこの点。長期滞在の冬山などでは、この結露・霜の処理のしやすさが結構効いて来ます。

「カミナ®モノポール」は、ベーシックなダブルウォールテントやクロスポールテントと比べて、確かに苦手な状況はあります。

・地面がペグダウンも固定する石もないような、舗装された地面などでは張れない
・ガイラインが長めで、密集したテン場などでは張りにくいことがある
・換気能力がダブルウォールテントより劣るため、夏の低地などでは暑いかも
・体が触れるところが結露するのはとにかく嫌、という場合はお勧めできない
・ダブルウォールよりは、そりゃ寒いです。寒さに不安のある方は、カミナ®ドームを。

でもこれらのことは、ちょっとの我慢や工夫でカバーできます。それよりも、この軽さ・コンパクトさに魅力を感じてもらえるならばぜひ使ってほしいですね。

カミナ®モノポール

超軽量性とコンパクト性、さらにオールシーズン使用に十分な耐風、耐候性と快適な居住性を両立。ハードユース仕様のモノポールテントです。

商品情報はこちら!>>

※厳冬期の山岳エリアでは、保温性を補う冬期オプションのある「カミナ®ドーム」をおすすめします。

スタッフ:企画開発課 相川 創

2008年入社。
入社当初は基幹システム開発などを手掛けつつ、金山代表の下でアウトドア商品企画を学び、現在商品企画課課長。

好きなアクティビティはテレマークスキー、クライミング、沢登り・・・でしたが、いろいろ手を出していて何が好きなんだかわからなくなりつつあります。

最近はキャニオニングや、ケイビング、パックラフトを使ったマルチアクティビティなんかも面白いな~。