最強の5レイヤリングとは

2年前、室堂から上高地まで、稜線をつないで歩いた。記録的に雪が少ない春で、ミックス状態の夏道と、ハイマツの中を泳いだ嫌な記憶がある。今回は同様のルートを、滑りを楽しめる沢主体で繋ぐ。黒部の渡渉も交えて上高地を目指すこととした。しかし、予定している日が近づくにつれて、大量降雪からの気温急上昇という、先行きの怪しい天気予報となってきた……。

■山行日:2017年4月30日~5月5日

■4月30日
公共交通機関をフルに活用して、北海道と神戸から早朝の富山駅に集まった。
久しぶりの再会を喜びながら、装備と食料の最終チェックを済ませて、室堂を目指す。

この日は午後遅くから荒れる予報が出ている。
翌日の停滞もほぼ確定しており、少しでも進めるために観光客で賑わう室堂を足早に後にした。

程なくして一ノ越に到着。一本目の滑走は御山谷を落とす。
計画ではここを一気に1800mあたりまで標高差800m以上を落とし、大きく登り返す予定であったが、既に腐りきった雪が、どうも快適ではなく、早めに登り返して稜線を辿ることにした。
うまくトラバースラインが取れれば、楽ができると信じて。

真新しいデブリの稜線から鞍部を目指す。
登りきってすぐ、残念ながらスキーが活躍しない事を思い知った。おとなしくアイゼンに履き替え、歩みを進める。

日没が迫るにつれて風が強くなってきた。
この日は無理して峠には下りず、獅子岳の肩の辺りで、荒れる夜に備えることにした。
結果的に、爆風と雷が鳴り響く中、2畳程度の空間で男二人、1日半の停滞となった。

翌日の午後遅くには、無事天候が回復。

■5月2日
本来であれば今日が黒部を横断する日だ。足元遠くに光る黒部川は、どうやら水量も落ち着いていて渡れそうだ。
しかし今廊下沢を下るのはきっと自殺行為となるだろう。今回は潔く諦めて、のんびりと稜線を行くことに決めた。

このあたりが板を履いたまま通過できれば、かなり楽でリスクも少ないのだが…
越中沢岳からの下りで、思いのほか時間を取られ、この日はスゴ乗越までとした。

■5月3日
薬師岳への嫌になる長い登りから始まった。

天候が落ち着いて2日目の今日も平和だ
薬師岳から薬師峠までは快適に下る事ができた。
太郎平小屋で長めの休息と、甘い炭酸の補給を入れたあと、北ノ俣までの残業。

日没ぎりぎりに到着することが出来た。

■5月4日
この日は軽いハイクアップの後、中俣乗越までは長いトラバースでスタート。

今回の室堂から南下する計画では、東斜面のトラバースが多くなり、レギュラースタンスのパートナーは辛そうだ。

黒部五郎へ登り返したあとは、ボウルを一気に落とした。
ドロップポイントからハッキリと見えていなかった部分に、大きなデブリがあり、際どいラインとなってしまった。出来る限り急いで斜面を離れ、黒部五郎小屋を目指す。
順調に稜線を辿り、双六小屋が見える位置までやってきた。

ここまでくると槍ヶ岳もすぐそこに迫る。
しかし、どうやら明日は天候が崩れるようだ。予定より歩みも遅れており、明日は大人しく下山することとした。

■5月5日

目指していた方向から大きく進路を変え、槍穂高の稜線を横目に、弓折岳を目指す。
雪が緩む前に秩父沢を降りたかったがどうやら出遅れてしまったようだ。

抜戸の方面から、雪崩れる音が鳴り響く中、秩父沢を下った。
左俣林道の長い道のりは、林道脇の雪を繋いでいくことができて、あっという間で新穂高までたどり着くことが出来た。

今回のツアーでは、パートナーのスノーボーダーにとっては、登り返しやトラバースなどで辛い場面もあったようだ。しかしシールが苦手な朝方の硬い斜面や、細いスキーでは沈んでしまうほどに腐った雪の下りなどにおいては、スノーシューとスノーボードの機動力を存分に活かせたようだ。

 

1泊ならまだしも、連泊ともなると、テントの居住性能は無視できないものだ。
異型ポールを組み合わせる事によって、座位で目線の高さとなる空間が広くなっているカミナドームは、快適性をもたらしてくれる。軽量さを齎す極薄生地は結露も緩和してくれる。
そして今回、嵐の中稜線で停滞することとなってしまったが、カミナドームのお蔭で安心して眠る事ができた。

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