最強の5レイヤリングとは

投稿者: 相川 創

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スタッフの遊び記録
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好天のGW中盤を利用して、名クラシックルート、剱岳・八ツ峰を計画。
どうせならできるだけいいラインで、八ツ峰末端から登ってしまおうと、黒部ダムをスタート、下の廊下、内蔵助谷を経由して一峰の末端から登り、八ツ峰を縦走して剱岳本峰を踏み、早月尾根から馬場島に抜ける3泊4日のプランでトライしてきた。
このプランで行こうと考えると、一泊目はハシゴ谷乗り越しを降りた八ツ峰末端に取るとして、2泊目のどこに取れるかがポイントになる。理想はV、VIのコルだが、そこまでたどり着けるか?

■山行日:2017年5月2日~5日

■5月2日
立山から黒部ダムを目指すと、それだけでだいぶ時間がかかってしまい、出発は9時半を過ぎてしまった。人でごった返すダム湖畔から、トロリーバスバス停を通過し、下の廊下側に向かうトンネルをくぐる。この時期はまだ出口部分が雪のトンネルだった。

序盤は下の廊下を辿る。
ダムから離れると、先ほどまでの喧騒が嘘のような静けさ。ノートレースだったが、雪はしまっていて歩きやすい。黒部川はまだほとんどが雪の中だ。

小一時間ほどで内蔵助谷出合。
出合付近は川も出ていて一部悪いが、少し登ると快適な雪上歩行になる。左手に「黒部の巨人」丸山東壁を見ながら登る。

内蔵助谷を詰めると、穏やかな内蔵助平に。時間があればゆっくり滞在したいような、すばらしいところ。しかし雪はだいぶ緩んでラッセル状態になってきた。

ラッセル交代しながらハシゴ谷乗越を越えると、目の前に八ツ峰東面の雄姿が広がる。入念に観察をした結果、雪つきなどを考慮して三稜から登ることに決定。

剱沢に下降し、ボトム手前の台地上の大樹の陰を初日の幕営地とした。険しい地形の中の、ナイスなテン場だった。

■5月3日
翌朝は、5時スタート。まずは三稜右手側の雪壁からルンゼを、雪のしまっているうちに素早く登ってしまう作戦。アックスが良く効き、ノーロープでも不安はない。

 

P1の岩壁を左に回り込み、「滑り台のルンゼ」と思われるルンゼも一気に登る。落石の巣なので、緩んでから登るのは危険だ。

P3の先のコルまで一気に登って大休止。だいぶ時間が稼げた。ここからが登攀本番だ。
早速2つほど続けて出てくる岩場をアンザイレンして越える。

この先の(おそらく)P5の雪壁、その先の岩峰が二稜の核心か。いよいよ雪稜登攀らしくなってきて楽しい区間だ。

 

時々出てくる岩壁と藪が登攀にアクセントを加えてくれる。

さらに続く急な雪壁を登るとようやく傾斜も緩んだ。振り返ると、細い雪稜に自分たちだけのトレースが刻まれているのが気持ちがいい。

しばらくは緩い雪稜なので、スタカットからランニングを取りながらのコンテに、最後はノーロープにして八ツ峰一峰直下へ。最後のワンピッチ岳スタカットにして、登ると一峰のピークに出た。

後で振り返ると、八ツ峰本体よりこの三稜のほうが登り応えという意味では上だったかもしれない。

八ツ峰の主稜線区間に入ると、下りは懸垂がメインだ。支点はおおむねはっきりしている。

二峰~四峰あたりは小ピークが連続していて、どれが名前の付いたピークなのか判然としない。懸垂が必要な下りがあるピークが○峰だとあたりをつけるが、二峰はトラバースして越えてしまったようだ。

この先は、泊まり場を考えながら行かなくてはならない。I、IIのコル、III、IVのコルあたりも候補に考えていたが、泊まれないこともないが、快適とは言い難い感じだった。

時間は16時を回っていたが、この時期は19時くらいまではヘッデンなしでも動くことは可能。ならば、V、VIのコルまで行ってしまうか、と最後は一気にねじを巻いて行く。適度に緩んだ雪で、この区間ノーロープで行けたことも幸いし、18時前にはV、VIのコルに到着することができた。

写真は、五峰懸垂下降地点だが、ここまでのアクセスがなかなか怖い。この時期、雪のせいで三ノ窓側に降りたくなる形状をしているので注意だ。長次郎谷側に降りるのが正解。

V、VIのコルはかなり風が強かったが、快適なテン場だった。

■5月4日
朝イチ、六峰の雪壁登りから始まる。カチカチになると手ごわいとゆっくり目に6時出発としたが、気温が下がらなかったせいかすでに雪はグサグサ。これはこれでやっかいだ。

六峰の登りはスタカットで行く。その先は傾斜は緩むが、七峰から八峰付近はナイフリッジが続き、ノーロープはリスクが高い。時折スノーバーでランニングを取りながらのコンテでスピードアップを図る。

七峰からの懸垂は支点がなく、スノーボラードを活用。

八峰手前のナイフリッジを行く。

最後の雪壁を一登りで、八峰のピーク。北方稜線上の八ツ峰の頭は目の前だった。

池ノ谷乗越は12時40分到着。この日出発して初めての、ゆっくりとくつろげる場所だった。
池ノ谷乗越からの八ツ峰のギザギザの山容。

ここから先は登山者も一気に増え、トレースもばっちりだ。剱岳山頂へは1時間ちょっとで到着。

早月尾根を下り、夕日の美しい早月小屋周辺のテン場へ。最後の夜をのんびりと過ごした。

■5月5日
翌朝は5時下山開始。フィナーレの余韻を楽しみつつ、8時に馬場島到着。

 

冬と春、ときには初夏までが同居するこの時期に山には、L2メリノスピンライトのバランスが使いやすい。L1スキンメッシュ、L3ドラウトセンサー、L4ニュウモラップと組み合わせてて暑すぎず、寒すぎず、L4まではほとんど着替えずにすませることができた。
4日間の山行でも、全く臭いが気にならない消臭性も秀逸だ。

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