最強の5レイヤリングとは

投稿者: 相川 創  ■写真:相川、吉田、芳本

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スタッフの遊び記録
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キャニオニング(降渓)は、独特のロープワークと飛び込み、泳ぎ等の手段を駆使して、沢登りでは取ることができないより水に近いところを突破して行けることが醍醐味だ。ただ、豊富な水量と落差があり発達したゴルジュ、連続した釜を持った連瀑という下って面白い要素を備えた沢はそれ程多いわけではない。
紀伊半島でも屈指の「下降して面白い沢」ではと考えていた、苅安谷、前鬼川不動七重滝を下降してきた。
いずれもキャニオニング向きの要素をたっぷりと備えた、期待通りの面白い沢であった。

■アクティビティ日:2018年8月4日~8月5日

8月4日は滝川・苅安谷。

アプローチは私有地を避けて、苅安谷の右岸尾根を登ってみたが、一か所岩場のトンネルを抜けるルートファインディングに迷った以外は、おおむね快適。想定よりも、若干下に降りてしまったか。
最初の5m滝は、快適な滑り台でクリア。

続く12mも右岸からの簡単な懸垂だ。

ゴルジュはますます深くえぐれていき、トユ状の15m滝が深い釜に注いでいる。真っすぐ降りると滝の水線ど真ん中に降りていしまう形状で、キャニオニングならではの難しくも面白いポイントだ。ここは、何とか水線を降りられる水量と判断してど真ん中を行く。

滝の最下部から飛び込み、白泡立つ釜を泳ぎ抜けた。

すっかり冷えたので、大きな岩に這い上がってしばし体温の回復を待つ。
そこからは次の滝を望むことかでき、高さは8mくらいで飛び込みでこなせそうと判断。

さらに懸垂や飛び込みでどんどん下っていく。

左岸側から、ホホゴヤ谷が合流してくる。この出会いにかかる25m滝は、「ローソク滝」と言われるが、数多くの紀伊半島の滝でもトップクラスの美しさなのではないかと思っている。

続く波立つ釜を持った6m滝は、白泡にもまれた後、次の15m滝の落ち口に立たなくてはならず、そのワンポイントがちょっと緊張した。

最後に15m滝、日本の滝100選にも選ばれている32m笹の滝と続くが、降りた先が釜ではないので、技術的には容易。気持ちよく大滝を下って、フィニッシュした。

 

8月4日は不動七重滝。

この滝は7つの滝が大釜を連ねながら、140mの高さを落としている大峰でも屈指の豪瀑。登っても非常に面白いが(登った際の遊び記録はこちら。)、飛び込みを交えつつより水線に近いコンタクトラインを通って、すべての釜を泳いで抜けることができるキャニオニングの対象としても、負けず劣らず素晴らしいフィールドだ。
なお、下降用の支点はすべて残置を使用することができた。

前鬼トンネル上から入渓し、簡単な飛び込み、泳ぎをこなして下っていくとまもなくF7の水平線が見えてくる。
F7は多条の滝が大釜にそそぎ、それがF6の落ち口にダイレクトに続いている形状だ。F6の落ち口に吸い込まれるリスクがあるので、ここはロワーダウンからロープを外さずに釜を泳ぎ、落ち口右岸側に這い上がった。そのままガイドラインを張って、後続をガイドライン懸垂で迎え入れる。スタティックロープを使ったシングルロープテクニックならではの方法だ。

続く2段の斜瀑のF6は、不動七重滝のキャニオニングの核心だろう。
真っすぐは降りられない形状で形状で、釜にまかれると左側の洗濯機のようなところに閉じ込められ、脱出不能になる。
クラック沿いにカムと残置を使って、トラバース。下段落ち口をまたいで左岸のスラブ上にある支点へ。ここもガイドラインを使用した。

F6下段は、懸垂をすれば簡単であるが、これは滑り台で行けるのではないか?とトライ。10mの素晴らしい滑り台であった。

釜から這い上がり、少し歩くとF1からF5まで連なる滝と釜を一望できる素晴らしい高度感のある場所に出た。
まずは、F5 60mを下る。
滝上の支点から少し下ると小さなテラスと支点があったのでいったんここでピッチを切る。このボルトは1本が浮いているので注意が必要だ。

さて、ハイライトと言えるF5の下降だ。下降ラインは若干水線に絡まなくてはならないが、50m上から落ちてくる水はわずかな量でもなかなかの打撃力。高さがあるので、回収用のサブロープとしてフローティングロープを連結し、中段のテラスに降り立つ。快適なピッチだ。

F5下降の動画

テラスから大釜までは15mほど残している。ギリギリ飛び込めるかとも思ったが、水流にまかれる恐れがありそうだったので、飛び込みは断念。斜め気味に水面近くまで下降し、そこから泡立つ釜を泳ぎ抜けた。

続く、F4、F3はそれぞれ5m程度の高さしかないので、飛び込みで秒殺した。

 

F2は15mの大釜を持った滝。飛び込むにはかなりの飛距離をもって飛ばないと厳しそうだ。次回の課題(?)ということにして、おとなしく懸垂する。

最後のF1 25mを下って激しく波立つ釜を泳ぎ抜けてフィニッシュ。このF1だけでも、大抵の沢では主役を張れる十分な貫録を持っている。不動七重滝はやはり凄い滝だ。

 

 

歩く要素が少なく、水につかり続けるキャニオニングでは、ウェットスーツを使用したほうが快適なことも多い。筆者は苅安谷では、アクティブスキン+フラッドラッシュ+アウターのウォーターレイヤリングを、不動七重滝ではアクティブスキン+ウェットスーツ+アウターというウェアリングで臨んだが、アクティブスキンは常に肌面に着用していた。ウェットスーツの下に着て保温性を挙げるウェアとしてもアクティブスキンは有効だ。

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