DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

フリースキーヤーの聖地ともいえる北海道のニセコエリア。世界的にあまりにも有名なエリアであり、雪が良いのは周知の事実。ただ関西からは移動で初日と最終日を使う必要があり4泊5日で予定を組んでも滑れるのは3日間。雪が良いのは十分に理解しているが、果たして限られた日数でパウダースノーを当てることはできるのだろうか?

■アクティビティ日:2024年1月4日~1月8日

あくまでも個人的な感覚だが関西から北海道は遠い・・・。

「飛行機に乗ってしまえば、1.5時間ほどで着くからすぐだよ!」と言われても、なんだかんだいって飛行機の移動で半日、空港でレンタカーを借りたり昼食を済ませたりして、現地につくのは午後3時くらい。そうなると、初日は移動、最終日も移動で丸2日間を使うことになり、4泊5日で日程を組んでも滑れるのはたった3日間。

一方で白馬や妙高であれば、夜中に車を走らせれば5日間ビッチリ滑ることができるのだ。(むろん眠い目をこすることにはなるが・・・)若干貧乏性の自分としては、そこまでして北海道に飛ばなくても、岐阜、長野、新潟でも十分いい雪あるし・・・と、毎年仲間から誘われながも丁寧にお断りをしてきたのだった。

ただ、毎年毎年「リアルなディープパウダーが待ってるよ~」と、シーズンが近づくにつれ呪文のように耳元で囁かれ続け・・・。たまたま立ち寄ったスキーの試乗会で一目ぼれしたディープパウダー向けの板との出会いがあったりと、とうとう行かない理由がなくなり、早速一目ぼれした板を購入し、満を持して北の大地へ飛び立つ決意をしたのである。


神戸空港をいざ出発!

DAY1:「素晴らしき晴天」

早朝に自宅の大阪を出発、神戸空港までJRで移動しそそくさと飛行機に乗り込む。

早速フライトが諸事情で1時間遅れている・・・。う~む、飛行機が苦手な自分としては心の中でやっぱり地に足のついた乗り物に乗るべきだ・・・と呟きながらも、無事に飛んでくれることを祈りチェックインを済ませ、なんとか午後には新千歳空港に到着。

東京から参戦する仲間とも無事に合流し、「北海道といえば、やっぱ味噌ラーメンでしょ!」と昼食から北の幸を堪能しニセコへレンタカーを走らせた。


北海道といえば味噌ラーメン?

この日は抜群に天気がよく、支笏湖、羊蹄山、チセヌプリ、アンヌプリ、イワオヌプリ等が綺麗に見えた。(後日、昔ニセコに籠っていたという仲間に写真を見せると「こんな綺麗な羊蹄山は初めてみた。」というほどの快晴)


快晴の羊蹄山

移動日で滑れないので、各山々のふもとに視察にいくと、海外向けのツアーに参加されている方々がちょうど下山してきたところ。片言の英語でやりとりすると、樹林帯の新雪を楽しんでいた様子。しばらく雪は降ってないので、そりゃそうなるわな~と思いつつ、お礼を伝えてこの日のベースキャンプとなる宿泊施設に向かった。

快晴のイワオヌプリ

快晴のアンヌプリ

DAY2:「暗雲立ち込める・・・」

前日の晴天が嘘のように、天気がくずれ雪が降り始めた。ガスで視界も悪く。雪が降った直後は表層雪崩の危険性も高い。無理はできないとの判断で、視察メインで午前中はアンヌプリ東面に入る。


視界が悪い・・・。

シールをつけて少し登るものの、いかんせん風が強く、ガスで視界がすこぶる悪い・・・。これはダメだと、早々に撤退し宿で待機しながら作戦会議。


現在地を慎重に確認

予報を見るかぎり午後は若干回復し、風も弱くなるとの情報。昼食を済ませた後、イワオヌプリに視察へ。


なんとかアンヌプリが見える

予報通り天気はやや回復し、正面のアンヌプリを拝むことはできたものの、やはり降った直後は表層が脆い。ちょっとした斜面でのトラバースで表層が崩れた為、午後も早々に撤退。


簡単に崩れる表層

3日間しかない貴重な1日がコンディションの不良でほぼ遊べず、残念なスタートとなってしまった。

DAY3:「いざ羊蹄山へ」

前日の夜に情報収集を行ったところ、本日が雪は降るものの、少し風もおさまり山に入れそうなコンディションとのことで、羊蹄山BCツアーを決行することにした。

装備品の確認、ビーコンチェック、登山計画書の提出を済まし、いざ入山。(なんだか怪しい写真は風が吹く中、念入りに記入漏れがないか確認している私の後ろ姿である。決して何かを物色している訳ではない。)


かなり怪しいが登山届けの提出シーン

車道を抜けていくと、

今回のルートはメジャーなルートを選択。先行するパーティーもいるようでトレースもあった。

登山道の入り口に差し掛かる

羊蹄山登山口から樹林帯を快適に登りだす。

にこちゃん大魔王発見(古いか・・・)

雪のアート(?)を楽しませてもらいながら高度を上げていく。

開けた斜面が奥に見えてきた1300m付近手前。

樹林帯を抜ける頃に風は少し収まり若干開けた斜面に出る。1300m付近まで上がったが、これ以上高度をあげても雪が硬い可能性もある為、シールを外しこの位置からドロップすることにした。

ここまでの流れはいつものBCツアーの手順であり、ルーティーンな作業として進行してきて少々退屈な気分でもあったが、はっと目が覚めたのは滑り出し1ターンをした時だった。

目の前が真っ白になり前が見えない! そう、超絶軽い雪がテレマークターンの前脚の板に押し出されて自分に降りかかってくるではないか。

思わず「オー!」と言葉が漏れる。スキーがまったくひっかかることもなく、1ターンごとにスプレーが上がる。これは至上最高の快楽的要素を含んだスキーだ。


軽い、軽すぎる!

よく雑誌や動画でみるパウダースノーを満喫しているシーンが今まさにここにあり、自分がその写真や動画で見たスキーヤーなのだ!

同行してるメンバーも歓喜の雄たけびを上げながら滑っている。


綺麗なスプレーが上がる!

退屈な移動日、1日目のバッドコンディションの「なんだかな~」という気分は吹き飛び、ここまで手間暇をかけて北海道まで来て良かったと思えた瞬間であった。


腰パウとはこのこと。

とはいえ、バックカントリーはスキー場とは異なりどんなリスクが潜んでいるかわからない。大胆かつ慎重にルートを選択し、仲間と動画や静止画を撮影しあいながらパウダースノーを堪能しまくり、無事に駐車場まで下山。

時間を確認すると15時の少し手前。1DAYのBCスキーとしては、時間的な安全マージンも確保しつつ完璧な時間配分であり、計画通りのツアーとなり大満足の1日となった。

その日は宿に戻り祝杯を挙げたことはいうまでもない。ただし、3人ともそれぞれちょっとした怪我を抱えておりノンアルでの祝杯だったことが少々悔やまれる。次回は盛大な酒盛りをしたいものである。

DAY4:「運が良かった最終ゴンドラ」

滑ることができる最終日。前日からの雪は昨日の羊蹄では快楽的スキーをもたらしてくれ、そのまま降り続けている。さすがニセコ。初日の晴天のほうが珍しかったのだろう。風も強いのでBCは断念し、スキー場のオフピステコースを狙うことにした。

スキー場とは言え、ここのオフピステはBCエリアと言っても過言でなく、完全なる自然の地形を滑るだけであり、当然当日のコンディションでゲートが空いていれば入れる条件付きのエリアである。

インフォメーションで確認をすると、雪と風が強いにも関わらず、本日はなんとゲートをあけているとの情報で、喜び勇んでゲートまでアクセスできるゴンドラに飛び乗った。


某スキー場の沢地形を責める筆者

ゲート入り口にはビーコンチェッカーがあるので、動作を確認しコースに入ると、ここでも昨日同様パウダースノーが待ち受けており、あちこちで、スキーヤーやボーダーの歓喜の雄たけびが聞こえてくる。

某スキー場の沢地形を責める東京の遊び仲間

我々も地形を楽しみながらパウダーを喰らいまくり下まで1本滑り降りた。

スキー場の非圧雪エリアはリフトとゴンドラで回せるので、もう1本ゴンドラに乗り込み下車したところで、「強風の為、この後はゴンドラが止まります」とのアナウンス。

なんとかギリギリ2本滑れたのは我々までで、その後の方々は、管理された通常のスキー場のコースを滑るしかなく、なんともありがたいタイミングであった。言うまでもなく2本目もパウダースノーを堪能させていただき、スキー場のレストランでノンビリ昼食タイム。

午後からはゲレンデにて基本的なスキー技術の練習を行い3日目を終えたのであった。

DAY5:「必死の脱出」

到着2日目から降り出した雪は終日降り続いている。と、いうことは…そう、車の雪かき地獄である・・・。

大変な朝になるな~と思っていた予感は的中。最終日早朝、除雪車の音で目が覚め、さてさて、どれぐらい積もったんだろうとカーテンを開けると、ゲレンデに滑りに行くであろう他の方々が、宿の入り口から車まで、わずか2、3メートルの距離を雪の壁を掘りながら進んでいる。

夜間も降り続いた雪は、車を上部まですっぽり覆ってしまったのである。さすがに宿の方も「今日はすごいですね・・・」と唖然とされている。当然我々の車も頭まで埋まり。「これマジで駐車場を出れる?」という状態。


車の発掘作業現場と化した駐車場

朝食を早々に済ませ、除雪車が作ってくれた道で車に辿りつき、ひたすら掘る、掘る、掘る・・・。なんとか車は掘りだしたものの、動かそうと思うと、スタッドレスの4駆がスリップしまくる・・・。1人は運転、2人が後ろから押して、なんとか駐車場を脱出。車に荷物を詰め終えるまでに延べ1時間かかってしまった。

その後、ほぼホワイトアウト気味の国道を亀のようなスピードで走り、なんとか空港に辿りつく。

労働の後のランチは上手い(笑)

自然の脅威を見せつけられ、これが滑る日でなくて良かったと胸を撫でおろしながら、昼食に海鮮丼を頬張って帰路についた最終日であった。

初日の退屈な移動から始まり、最終日のハードな移動を伴う、ニセコBCトリップではあったが、結果としてはディープパウダーを存分に味わうことができ大満足。少々手間暇はかかるが、来年もここに帰ってこようと心に決めたのであった。

遊びのMVPアイテム

エバーブレス®スノーライン

コンディションが難しい日が続いたが、雪や風をしっかりと防いでくれながらも、ストレッチ性があるので非常に動きやすく、着用している際のストレスがほぼない。JKTのパウダースカートは雪の侵入を防いでくれて、胸部分の大容量のポケットも非常に使い易い。

「エバーブレス®スノーライン」の商品情報へ

執筆者:セールスプロモーション事業部 稲田 和政

2015年入社

BCスキー(テレマーク)、オールロードサイクリング、トレイルランニングをこよなく愛する。ファイントラックでは数少ないサーファーでもあり、ミッドレングスでのロングライドができた時と、パウダースノーを滑れたときに、この上ない幸せを感じる、肉・魚・酒とクラフトバーガーが大好きなメロー系アラフィフスタッフ。

 

※自然の中でアクティビティを行うためには、十分な装備、知識、経験が必要です。事前の準備を徹底したうえで、安全に注意してお楽しみください。