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【イベントレポート】【登山道を守る人を応援する】「持続的な登山道整備のあり方を考える」登山道整備トークイベントVol.1

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finetrackとドライレイヤー®から山への恩返しとして、みなさんがこれまで歩いてきたトレイルの整備をサポートしたい。
そんな思いから、finetrackでは「登山道を守る人を応援する」プロジェクトを始動。
購入金額の5%を登山道整備の支援に充てるfinetrack×YAMAP別注ドライレイヤー®ベーシックTの発売と、登山道整備に必要な知識を得るための講習会イベントの実施をしています。

今回は直営店finetrack TOKYO BASEにて4月~6月に計3回実施するトークイベントのうち、初回となる《【登山道を守る人を応援する】「持続的な登山道整備のあり方を考える」登山道整備トークイベントVol.1》のレポートをお届けいたします。

イベントは4月21日(日)finetrack TOKYO BASEの2階にて開催。山梨県北杜市にて「北杜山守隊」の代表理事として活動している登山家・花谷泰広さん、長野県木島平村を舞台に開催されるトレイルランニングレース「奥信濃100」の実行委員長を務めるトレイルランナー・山田琢也さん、東京・高尾を中心にトレイルランナーのマナーを啓蒙する「高尾マナーズ」の創立メンバーである編集者・内坂庸夫さんの3名をパネリストにお迎えし、満員御礼のなかたっぷりと語っていただきました!

イベントは3部制で、第1部では花谷さんより北杜山守隊の活動紹介を、第2部では山田さんより木島平でのロングトレイル整備の活動紹介を、第3部では花谷さん、山田さん、内坂さんによるトークセッションを実施。

第1部の花谷さんの講演では、登山道整備を考えるようになったきっかけや、大雪山山守隊の代表・岡崎哲三さんや岡崎さんが推進する近自然工法の考え方との出会い、北杜市の登山道の現在や課題、2030年までに北杜山守隊が目指すもの、北杜山守隊がこれまで行ってきたワークショップやこれまで実施してきた登山道整備の実例紹介、今後の事業計画などを語っていただきました。

現在の課題は登山道の利用と保全のバランスが崩れていることや、登山道整備における担い手不足や財源不足。持続可能な保全活動を続けるために事業収入と人財育成に注力し、補助金や委託金、ボランティアのみに依存しない仕組みを作っていくと語る花谷さん。

「水の気持ちになってください」 生態系の復元を目指してその土地の地質や環境に合わせて登山道整備を行う近自然工法の発想に基づいて整備した登山道をスライドで説明。写真は、土壌流出(ガリー侵食)を防ぐために、現場で水の通り道を観察し、水がゆるやかに流れるように、また人が横道に逸れずに歩けるように、ハの字、逆ハの字の木段を設置した例。登山者が歩く登山道だけを修復するのではなく、登山道を含めた自然を対象とする点を花谷さんは強調していました。

第2部の山田さんの講演では、「奥信濃100」の説明や整備を行う古道の紹介、近自然工法の考え方を知ったきっかけや、木島平での課題、これまでの整備内容、奥信濃100が目指す地域への貢献、今後の目標などを紹介していただきました。

「花谷さんが大雪山山守隊の岡崎さんから近自然工法の考え方を学んで衝撃を受けたように、僕も花谷さんと出会って、新しい考え方に触れて衝撃を受けました」 2023年11月のトレイルワークショップで北杜山守隊から近自然工法の考え方を学び、その後も西国街道やとりで街道など人の通行が少なく荒廃していった古道の整備に取り組む山田さん。

100年先も続く美しいロングトレイルを。樹齢300年以上のブナの原生林が広がるカヤの平や、高標山に繋がる本沢川の登山道を整備し、里山の保全と利用の好循環が生まれる地域づくりをしたい。そのために、今後登山道保全団体の設立や勉強会の実施をしていきたいとのこと。

第3部のトークセッションでは、内坂さんの進行で花谷さん、山田さんへの質疑応答を実施。「トレイルランナーに期待すること」「近自然工法の“近”とは」など、登山道整備や近自然工法の考え方についての素朴な疑問が飛び交いました。また、当日の参加者やYouTubeライブ配信視聴者からも質問を受け付け「近自然工法をほかの地方でも活かすアイデア」「登山者が気を付けるべきポイント」など様々な質問に対して花谷さん、山田さんが丁寧に答えてくれました。

「どういう歩き方が登山道にインパクトを与えてしまうかを理解しているかどうかで違う」 下りはどうしても土を削る。黒戸尾根は花崗岩質のため、平地ではあまり影響がないが急な斜面は水の流れや踏圧によりどんどん削られていく。そのような崩落しやすい斜面に対して「敢えて走らない、削ってしまうから」と見極められる登山者やランナーがいたらめちゃくちゃかっこいいなと思う、と花谷さん。

2023年11月の木島平での登山道整備のエピソードから、話題は黒戸尾根、木島平、高尾などのエリアごとの事情の違いへ。山や地域の地質や植生、気象条件によって事情は様々で、何が必要かを見極める必要がある。また、山それぞれの管理体制の違いによっても全く違う。「北杜山守隊からは技術を教えてもらっているのではないと肝に銘じている。いつもその教わったやり方で整備をしていいのか、注意深く考えながら整備していかないといけないと思っています」と山田さん。

3時間30分の長丁場、最後まで質問が絶えることなくトークが繰り広げ、あっという間にイベントが終了。ご参加された皆様も登山道整備に興味深々で熱心に話に耳を傾けていたことが印象的でした。

トークイベントを終えて、パネリストの3名から感想をお聞きしました。

花谷泰広さん(北杜山守隊)
今回のイベントをきっかけに登山道整備に興味を持ち、実際に行動を起こしてくれる方が一人でも多くいらっしゃったら嬉しいと思います。

山田琢也さん(奥信濃100実行委員会)
今回はパネリスト側としての参加でしたが、花谷さんの話をお聞きしてさらに登山道整備への理解が深まりました。今年1年、もっと学んでいきたいと思います。

内坂庸夫さん(Tarzan Trails)
魅力的で面白い話でした。参加者の皆様が登山道整備について生まれてはじめて話を聞いたようで、びっくりしていた印象。ますますこれからトレイル保全についての話を広げていかないといけないと思いました。このような話は整備体験や講演会への参加を通して理解が深まると思うので期待しています。

当日の第3部の模様はYouTubeにてご覧になれます。

 


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