DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 苅田 匠 ■撮影:苅田・小池

最近の夏は暑すぎる!
私が子供の頃は、標高を上げればそれなりに快適だったと記憶しているが、近年では「涼しい」どころか、日射でジリジリと焼かれる始末。快適に歩けるのって、夜明け前しかないのでは…?
樹林帯のハイクアップでは曇り、稜線では晴れ。そんな都合のいい天気を期待するのは、きっと私だけではないはず。
昨今の夏の暑さには後ろ向きな気持ちになってしまいがちだが、日本は素晴らしい国で、暑さにうなだれグータラしていても勝手に季節は進んでくれる。9月下旬になり、残暑もラストスパートで、気づけば秋の入り口である。「もう少しで紅葉ハイクできる頃か」と思い、やっと重い腰を上げる気に。
そんな前置きをしつつ、今回は越後駒ケ岳へ。まだ紅葉は早いのだろうが、北ならワンチャン見れるだろうか?せっかく新潟まで行くなら、1座じゃもったいない。静かな山奥をテントでのんびり縦走できそうなルートはないかなと地図をにらむと、荒沢岳〜中ノ岳〜越後駒ケ岳の周回ルートが見えてきた。なるほど、この3座をまとめて「裏越後三山」と呼ぶわけね。
幼い頃から「裏」という言葉には惹かれるものがある。裏道、裏技、裏メニュー…。そういうのには弱い。そんな“少年心”をくすぐられて、安直にルート決定。その後、洗礼を受けることに…
(※ちなみに「表越後三山」は、荒沢岳ではなく、かの有名な八海山が入るそうだ。)
行き先が決まったら、次はルートチェック。
ふむふむ…って、ちょい待ち。距離30km、累積3000mあるじゃん。しかも荒沢岳って、通称「越後の穂高」って呼ばれるくらい急峻なのか…。なにこれ、わりとマジのやつじゃん。さらにログを見ると、日帰りの健脚勢が目立つ。いやいや、どんな猛者やねん。
ちなみに私の体力だと、1日あたり距離10km、累積1000mには収めておきたいところ。やはり2泊3日が現実的か。どこか2か所、幕営地にピックアップしなきゃね…。

■アクティビティ日
2024年10月11日~10月13日
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7/92025

天気に振り回された“登山あるある”~後悔を抱えて挑んだ前穂高岳・北尾根登攀~

天気予報に振り回される――登山者であれば、誰もが一度は経験する“あるある”だろう。今回の山行も、まさにその典型だった。
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結局、迎えた当日も「前日雨、当日は強風」との天候だった。だが、想像していたほどの厳しさはなく、山中でこんな会話が交わされた。
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「うん、実はそう思ってた」
登山者なら誰もが心当たりのある、“判断の後悔”。
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■アクティビティ日
2025年5月4日~5月5日...

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投稿者: 黄 嘉駿

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7/22025

日本オートルート-沢と峠をスキーで繋ぐ8日間-

なぜ山にスキーを持っていくのか?移動の道具としてそれを考えた時、担ぎの多くなる従来の稜線通しの日本オートルートではなく、沢と峠と沢を繋ぐ、スキーだからこそできるルートが見えてくる。
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人のいない北アルプスの奥地にて、立山から新穂高へ、8日間の日本オートルートを滑った。

■アクティビティ日
2025年4月26日~5月3日...

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投稿者: 衣川 佳輝 撮影者:衣川、山下

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6/252025

奥利根~奥会津(鳩待峠から只見駅)縦断 スキーラフティング

「奥只見湖や田子倉湖とその周辺の山域をつないで縦断するロングルートをSki raftingスタイルでトライ」というのは数年前から温めていたプランだった。

Ski Raftingって?
パックラフトは登山やバックカントリーの活動で一番の障壁となった「水上」の通過を可能にしてくれる飛び道具だ。これを使えば、今までつながらなかったラインがつながり、行けなかったところに行けるかもしれない。そんなパックラフトとスキーを組み合わせてしまおうというのがSki Rafting。

このプラン、時期が早いと湖の水位が低くて苦労し、遅いと湖面付近に残雪が残らず、タイミングがなかなか難しい。適しているのはおそらく「豪雪の年のGW」。これはやるしかない!

■アクティビティ日
2025年4月27日-2025年5月2日...

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投稿者: 相川 創

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6/92025

大峯奥駈道「一撃」 ~無泊無補給の縦走~

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今年のGWは11連休と長く、社内では大峯に行くという声がちらほら。
振り返ると大峯山系は八経ヶ岳や山上ヶ岳といった定番コースしか歩いたことがないため、点を線で繋げて奥駈けたい!と思い地図を広げた。
距離約100km、累積標高約8000m
事前に細かく情報収集すると面白さが半減するため最低限の情報(小屋、水場)のみ調べ、2日間たっぷり楽しめる計画を立てた。
初めて大峯奥駈道を縦走するにあたりソロではリスクが高いため過去に経験したことのある友人の田中氏に声を掛けると二つ返事をもらった。

■アクティビティ日
2025年5月2日~5月3日...

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投稿者: 辻本 浩久 撮影者:辻本 浩久、田中

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