DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: fun to track 編集部

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2020年9月に発売した、雪山をアクティブに遊ぶ人のための行動保温着「ポリゴンアクト」。
実は発売に先駆けた2020年2月~4月の期間、finetrckは、日本各地で雪山をアクティブに遊ぶアウトドアフリークの人たちにポリゴンアクトの使用をお願いしていました。
その際にフィールドからいただいた生の声は、きっと保温着を検討中の方の参考になるのではないでしょうか?!
……というわけで、雪山シーズン本番が迫ってきた今、ポリゴンアクトのフィールド着用感をみなさまにお届けしたいと思います!(fun to track編集部)

■フィールド着用時期:2020年2月~4月

「山に取り付けばずっと着ていられる!」

エルク スタッフ 綾井 瞭さん

◆プロフィール◆
山梨県甲府市の登山・アウトドア用品店「エルク」に勤務。北岳や剱岳の山小屋で働いた経験もあり。
北に八ヶ岳・奥秩父連邦、南に富士山、東に小金沢連峰、西に南アルプスと山に囲まれ、遊ぶ場所に困らない山岳環境に恵まれた山梨県を愛し、年間を通して地元の山を中心に登山を楽しんでいる。最近はトレイルランニングとBCスキーの魅力も知ってしまい、まだまだ山遊びに困ることはなさそうだとか。

――地元山梨県を愛する綾井さんだけあって、今回は3月に山梨県のフィールドでポリゴンアクトをお使いいただいたそうですね。

綾井:はい!南アルプスの北岳冬山登山でポリゴンアクトを着用しました。

この山域の特徴は、北アルプスに比べて林道や樹林帯のアプローチが長く、多くの場面で暑くなりやすいというところ。だから実は、どうせ保温着はすぐに脱ぐことになるだろうと思いながら歩き始めました。でも結果は違って…。

夜明け前の林道歩き、樹林帯のハイクアップ、そして強風の雪稜とすべての場面で着用してみたのですが、結果としてポリゴンアクトを脱いだのは、はじめの林道歩き中だけでした。つまり山に取り付けばずっと着ていられるんですね。ほどよい通気性のおかげかと感じます。

特に、ファイントラックお得意のリンクベントは、一気にムレを放出できるのでお気に入りのポイントです。

――リンクベントは私たちにとっては欠かせない装備です。でも、お店ではポケットと間違われるお客様もいらっしゃると聞きました。

綾井:そうですね。普段店頭でお客様と接していると、リンクベントのところは「これはポケットじゃないの?ポケットの方がよいのに」というお声を頂きます。

ですが、実際に山に入れば脱ぎ着せずに蒸れを開放するリンクベントがいかに便利か実感できるでしょうから、お客様にもぜひその利便性を感じていただきたいと思っています。

――じつは今回、綾井さんにお使いいただいたのはインナー使いを強く意識してハンドポケットもフードもない軽量タイプ。対するフーディタイプには、アウター使用するシーンも想定してハンドポケットを付けています。

綾井:確かにハンドポケットはあると便利なので、そこはお客様の好みに合わせて提案できる幅が広がって嬉しいです。

――ムレにくさ以外にも気に入っていただいた特長があるとか。

綾井:そうなんです。着用中じんわり汗をかいたときも、気が付けば乾いているところには感動しました。

これは裏地のメッシュ素材がすぐに汗を吸い上げ、拡散させているのかと思います。近年のアクティブインシュレーションは行動中も着続けられるように、ムレにくさ・通気性の高さを重要視しています。しかし実際に汗をかいた時の、速乾性の高さはポリゴンアクトならではの素晴らしさといえるでしょう。

――ありがとうございました!


「ストレッチ性も申し分なく、クライミングに集中できる!」

好日山荘サッポロファクトリー店 スタッフ 小山田 隆博さん

◆プロフィール◆
山に囲まれた北海道十勝地方の大学に進んだことから、山登りをはじめる。大学のサークルの先輩に誘われ社会人の山岳会に入りより本格的にのめり込む。夏は沢登り、冬はアルパインをメインに活動。長期の山行が好きで、何日でも山に入っていたい。2018年には念願のデナリにも登頂。日高の沢や冬の利尻が好きだが、黒部や北アルプス、飯豊、ヒマラヤの8,000m峰や台湾の渓谷など、国内外問わず行ってみたい山域が多数。普段は登山・アウトドア用品専門店「好日山荘」の店頭で、大好きなアウトドア用品に囲まれながら毎日を送る。

――今回、小山田さんには、北海道の山ヤさんにとって有名なバリエーションルートの登攀にポリゴンアクトをお使いいただいたと聞きました。

小山田:3月末の定山渓天狗岳で使用しました。

3月末という時期はまだ春ではないし、厳冬期でもない、一番ウエアのチョイスが難しい時期と思います。この日も朝はかなり冷え込んでいましたが、日中は晴れの予報でかなり気温も上がりそうで、ウエアの調整には柔軟な対応が必要と感じました。
ハードシェルはザックにしまい、ドライレイヤーとメリノスピンライトの上にポリゴンアクトを着込んで行動開始。

まずは2時間ほどスノーシューでのアプローチです。多少汗はかきましが、通気性が良いので思いのほか体はドライ。大きなベンチレーションがあるのもこのようなアプローチやハイクアップにはかなり有効と思います。

――クライミング中もポリゴンアクトが活躍したそうですね。

小山田:はい。目標のラクダ岩稜に着く頃にはかなり気温が上がっていましいたが、残念ながら取り付きから2P目までは日陰で意外と、寒い。でも動けばやはり暑い。迷った末、ここもハードシェルを着込むことなく、ポリゴンアクトを一番外側に着たままリードしました。

ストップアンドゴーを繰り返すアルパインルートにおいて重要なのは汗処理がいかにスムーズか。このポリゴンアクトは通気性があり、汗をスムーズに乾かしてくれる上にしっかりとした保温性と適度な防風性があり、結局全3ピッチをそのままトップアウトしました。

小山田:また、嬉しかったのはストレッチ性も申し分ないということ。おかげでクライミングに集中できました。

この日はトップアウトした時間が遅く最後はヘッドランプをつけての下山となりましたが、日が落ちてからもポリゴンアクトは十分な保温性があり、最後の最後まで朝と同じレイヤリングで歩き通せました。

――帰宅後も嬉しいポイントがあったとか…。

小山田:それはずばり自宅で洗濯ができるところです。メンテナンスが手軽だと、帰宅後の片付けがラクですよね。だからその点もとてもよかったです。

――ありがとうございました!


「いつの間にかウェア内部がサラリと乾いている!」

WEST三条店 スタッフ 藤本 巧佑さん

◆プロフィール◆
新潟県のアウトドアショップ「WEST」三条店にて登山ウェア担当として勤務。登山用品、機能性ウェアを中心にクライミング用品、沢用品なども販売、接客している。好きなアクティビティは春~秋は一般登山やトレイルランニング、ファストハイク、沢登り、クライミング。冬はBCスキー、冬季縦走など。

今シーズンはクライミング、トレランに力を入れて活動したいと考えている。また新潟100名山制覇も目標。

――藤本さんはポリゴンアクトをどんなアクティビティでお使いいただきましたか?

藤本:バックカントリースキーやクライミング、トレランで使いました。

一番活躍したのはバックカントリースキーです。というのも、バックカントリーにはハイクアップ、シールの付け外し、滑走と言った汗をかく場面、かかない場面がはっきりと分かれているアクティビティです。その緩急の付いた行動が多い中でポリゴンアクトが存分に力を発揮してくれました。

――新潟だとバックカントリースキーのフィールドが近くて羨ましいです!そこで発揮したポリゴンアクトの力とは、なんでしょうか……?

藤本:まず1つ目は優れた汗処理能力ですね。内側のメッシュ生地はシールでの登高時にハイペースで行動しても汗を吸って乾かす処理速度が速く、いつの間にかウェア内部がサラリと乾いていました。使用した期間は少雪のため機会が無かったのですが、たとえ深雪の中の激しいラッセルでも、このウェアであれば気にせずガシガシと登ることができそうです。

2つ目は中綿のファインポリゴンの濡れに対する強さです。汗や雪で濡れたときもロフトがへたりにくく、十分にデッドエアをため込むのでシールの付け外しや滑走の時にも十分温かかったです。各メーカーが出している独自の化繊中綿素材の中でもドライ性能が高く素晴らしい素材だと思いましました。

――お客様のタイプや好きなアクティビティによって選ぶべき保温着は異なると思いますが、藤本さんならポリゴンアクトをどんな方にお勧めしたいですか?

藤本:アクティブインシュレーションの中でも高いドライ性能を誇り、一般的なミッドレイヤーとは違ってベンチレーションが備わっているので、蒸れの処理速度をさらに速くする。

そんな特長は汗っかきの人や、バックカントリースキーヤー&ボーダー、ラッセルをガシガシ行う人に嬉しいと思いますね。

――ありがとうございました!


「サポート地点で羽織るとウエアがドライに!」

トレイルランナー・マルチアクティビティプレイヤー 丹羽 薫さん

◆プロフィール◆
トレイルランニングやテレマークスキー、ファストハイクで山に入るのが大好きで、特にトレイルランニングでは100キロを超えるような超長距離のレースを得意とする、プロ山岳アスリート。冬や春はテレマークでバックカントリーを楽しみ、年間を通して山に親しむその姿に、共感する人が続出。

――もともとポリゴン2ULなどをお使いの丹羽さんは、ポリゴンアクトの保温材に採用しているファインポリゴンの特性をよく知っていただいています。今回もそれを活かしてポリゴンアクトを活用いただいたそうですね。

丹羽:私にとってファインポリゴンの最大の強みは、濡れても保温性が落ちにくいことです。

それは以前、トレイルランニングでイタリアの山岳地帯で330kmのトルデジアンを走った際に実感しました。夜間の寒い時間帯にポリゴン2ULを着用しており、小雪で若干濡れたりしもしたんですが、保温性はほぼ変わらず温かいんです。ダウンを使用した製品だと、濡れるとほぼ役に立ちません。

だから今回も汗でびっしょり濡れた状態、だけど非常に寒い!という状況でポリゴンアクトを使おうと思いました。4月に実践した鈴鹿山脈全山100kmの縦走です。

――かなり過酷な挑戦だったと聞きました。

丹羽:そうですね。このコースは累積標高が10,000mもあるのでトータルで30時間もかかります。だから後半は疲労も伴って、一旦冷えたらなかなか体温をあげられなくなるのです。

標高差による気温の違いも激しくて、夜間の稜線は強風にも吹かれて冷え込むのですが、少し標高を下げたところでは走っている間は結構汗をかきます。だから汗をかいては冷えて…の繰り返しです。

一番つらいのが停止中で、サポートカーが補給物資をもって待っていてくれるところに行き、立ち止まると、一瞬でひどい寒さに襲われるんです。

丹羽:だからサポート地点に到着したら、まず汗で濡れたウエアの上にポリゴンアクトジャケットを着用しました。

ダウンジャケットだと羽織った瞬間の温かさは同じですが、汗に濡れたウエアがダウンの保温性を低下させてしまうのか、しばらくすると下に着ている濡れたウエアをすべて着替えないと寒くなっていました。ですがポリゴンアクトは濡れても温かいので安心です。

しかも今回驚いたのが、ウエアの汗がジャケットに吸い上げられていくように着乾かしができて、再度出発する際にはかなりドライな状態になっていたんです。だからあまり着替えが出来ない縦走や超ロングの山岳レースなどの際にも非常に頼もしいと思いました。

――マルチに山に親しむ丹羽さんなので、スキーでも活用いただいたそうですね。

丹羽:はい。マイナス10度ぐらいの気温で風も強い日でしたので、ドライレイヤー、ベースレイヤーの上にポリゴンアクトとフロウラップを着用し、アウターとしてグライドを着ましたが、中で蒸れることもなく快適でした。

普通これだけ温かい保温着を着ていると、行動中に体温が上がって蒸れたりするのですが、そういう感じは全くなかったです。

丹羽:旧品のドラウトポリゴン3のデザインが変わったモデル…ぐらいに考えていたポリゴンアクトですが、実際はシルエットだけでなく表地から裏地まですべて改善されていて、機能的にもパワーアップしたウエアだと感じました。


「いつもならムレムレのはずのシェルの中が快適この上ない!」

秀岳荘白石店 スタッフ 國本 伶皇さん

◆プロフィール◆
北海道のアウトドアショップ「秀岳荘」の白石店でウエアコーナーを担当する。
雪のあるシーズンはバックカントリースノーボードで北海道を満喫。大雪山系や羊蹄山等大きな斜面を滑る事も勿論、標高の低い山の隠れポイントを探す探検BCがたまらなく好きなのだとか。北海道の雪質の良さを大いに活用して、早ければ11月頃から長ければ6月頃までのほぼ半年滑っている。
夏は主に登山がメインだったが、最近は始めたばかりのフライフィッシングに勤しむみ、登山とフライをうまく融合させられないか画策中。

――北海道のバックカントリーシーンを大いに満喫されている國本さんが、ポリゴンアクトをお使いになった印象はいかがでしたか?

國本:バックカントリースキー・スノーボードにぴったりのアクティブインシュレーションがついに出来た!と感じました。

近年人気が出てきたアクティブインシュレーションは“アウターとしても使える行動着”として考えられたものが多く、保温性と通気性バランスが良く、かつフリースと比べて耐天候性が強いので、天候の影響を強く受けるウィンターシーズンの強い味方であり最高の相棒です。
しかし2本目3本目と貪欲に滑り込む場合、最外層にはアウターシェルを着ているので、結局耐天候性よりも蒸れづらさが欲しくなってくるんですよね。

だからこれまでのアクティブインシュレーションを使っていると、ミッドレイヤーとしてはやや不満が残ると感じることも多かったです。しかしポリゴンアクトは行動着として求められる要素を満たしつつ、肌に当たる面に採用した吸汗性のある生地のおかげでミッドレイヤーとしても非常に快適に使えました。

――裏地の吸汗性が快適だったというシーンについて、具体的に教えていただけますか?

國本:そうですね、少し長くなりますが、せっかくなので詳しくお話しさせていただきますね。
私が最近ハマっている遊びは、北海道のマイナーな低山を探検してバックカントリーの隠れポイントを探すこと。これも定山渓での探検バックカントリーの際のエピソードです。

二つほど山を越えた先にお目当てのドロップポイントがあるという状況で、ハイクアップ開始からポリゴンアクトを着用しました。まずはアウターとして使った際の着用感をお手並み拝見、シェルはザックの中です。

道中は晴天あり・曇りあり・割と強めの風と雪あり…とテストには最高の環境でした。高すぎない通気性に撥水する表地といった機能は耐天候性もあり、かつ行動量が増えて暑く感じるようなときにはベンチレーションを開ければすぐに体温調整ができる。これは良いぞと実感しましたね。

國本:そして約5時間半のハイクを終えいよいよ滑走!ザックからシェルを取り出しました。その後登りとほぼ同じルートをたどって山を滑ります。滑り終えると、好きな人など一人もいないであろう登り返し。

ここでは一気に体温が上がるので、いつもなら迷うことなくシェルを脱ぎ捨てるのがマイスタイル。でも今回はポリゴンアクトのテストのためにシェルを着たまま登り返してみました。
斜度は30度ほどの程よい急登を40分ハイクアップからの滑走、またまた30度ほどの斜面を40分程登り返し滑走。途中良い斜面を見つけガマンできず、仲間を残して自分だけドロップインし、その後は深雪に腰まで埋まりながらもつぼ足で直登。

そんな一コマもはさみつつ……結局、第一ポイントを落としてから駐車場までの3時間半アウターシェルとポリゴンアクトを着用したまま行動できていたんです。

――そんなにたくさん登りと滑りを繰り返したのですね!その間ウエアの着脱はなかったのですか?

國本:はい。いつもならそんなことをしていたらシェルの中はムレムレになるから、ガマンできずにアウターシェルを脱いだりするんですよね。でもこのときは、ポリゴンアクトの吸汗性が高いおかげで、シェルの中も快適この上なく、着脱せずにいられたのです。

アウターシェルの内側にずっと着用し続けられるインシュレーションウエアを着た初めての山行になりました。

――ポリゴンアクトは“雪山をアクティブに遊ぶ人のための行動保温着”なので、貪欲に雪山を滑る國本さんにピッタリだったのではないでしょうか。

國本:そうかもしれませんね。裏地の吸汗拡散機能は本当にすごいと思いました。
通気度の高いフリースウエアなどは熱の上昇や蒸れていくスピードが緩やかな、安定したルートではかなり有用なのですが、一度身体が温まったら風に吹かれない限りムレが収まらない気がしています。また、行動量と気温や風量のバランスがマッチしないと暑すぎる・寒すぎるという問題もあり、意外と人を選ぶのです。

でもポリゴンアクトは汗の処理が出来る為、風に当たる必要が無くウエア内のムレが落ち着いていく感じが、状況に限らず使いやすい。ハードな雪山に登る人や汗をたくさんかく人には、今着てるフリースの代わりになるウエアとして提案したいと思いました。

――ありがとうございました!


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