ドライレイヤリング ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: fun to track 編集部

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バックストーリー

2021年春にリニューアルしたエバーブレス®レグンは、エバーブレス®シェルの中で最も軽量コンパクトな特殊2.5レイヤー構造の防水透湿アウターシェル。リニューアルのきっかけやこだわった部分など、開発の背景を動画とテキストでお届けします。

▲こちらの動画バージョンも下のテキストバージョンも両方お楽しみいただけます!

きっかけはスタッフたちのフィードバック

もともとは軽さを求めるトレイルランやファストハイクに有利なシェルとして設計していたエバーブレス®レグン。
しかしその一方でエバーブレス®レグンには、摩耗に強い生地特性や水切れが良く濡れても重たくなりにくい特長もありました。
そのためファイントラック社内では、アルパイン志向の山行や沢登りなど、様々なフィールドでハードユースするスタッフが続出したのです。

今シーズンのエバーブレス®レグンのリニューアルを担当した畠山もその一人。
このアイテムの可能性を最大限に広げたいと考えた畠山に、リニューアルにまつわる裏話を聞きました。(聞き手:fun to track編集部)

■■■ 開発担当者紹介 ■■■

畠山 耕造 はたけやま・こうぞう

ファイントラックの企画・生産担当。

お昼休みにオフィスで同僚たちに毛鉤づくりをレクチャーすることもあるほどのテンカラ釣りマニア。
好きなアクティビティは源流釣りのほか、クライミング、トレラン、自転車、BCスキーなど。

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「軽さ」だけではもったいない!


――2017年の発売からずっとエバーブレス®レグンを使っているそうですね。

はい。始めは特長に謳っていた通り、軽くてコンパクトなシェルとしてエバーブレス®レグンを使っていました。トレランや自転車では荷物はなるべく小さくしたいので、そんなときにコンパクトさがメリットになるんですよね。


(日帰りトレイルランでは小さなトレランザックにも余裕を持って入れられるエバーブレス®レグンのコンパクトさが活きる。写真はハセツネ70k出走を控えて調整に入った比良山系での様子。)

だけど、使ううちにその他の嬉しさに気づいて。それが生地の水切れの良さです。

沢を遡行しながらテンカラで魚を狙う源流釣りが好きなので、春夏シーズンの週末は沢に入ることが多く、滝のしぶきを浴びながら岩を登ったり水量の多い場所は泳いで通過することもあります。
そんなふうにずぶ濡れになっても、水切れが良いおかげでウエアが重たくなりにくいのです。
テンカラ竿をさばくときも、腕にまとわりつくような感じがなくて快適です。

(沢の水で濡れながら釣り上がるような源流釣りでは、水切れがよく重たくなりにくいことがエバーブレス®レグンの良さだ。写真は禁漁期間を目前に、最後のチャンスと入渓した大峰山系のとある沢にて。)

表地に30デニールの66ナイロンを採用した摩耗に強い生地は、大滝登攀やアルパインクライミングで岩肌と擦れても生地表面が傷みにくいですし、これは軽量・コンパクトさだけを謳うアウターシェルにしておくのはもったいないと思いました。

――それでリニューアルにあたり、デザインを刷新することにしたんですね。

そうです。さらに動きやすく、タフなシーンにより使いやすいように機能やカッティングを向上させ、より多様なフィールドにフィットするアウターシェルにブラッシュアップさせたいと思いました。

そうすれば、軽量コンパクトなレインウエアとしてトレランやバイクパッキングに、水切れのよいアウターシェルとして源流釣りや沢登りなどウォーターアクティビティに、摩耗に強いタフなシェルとしてアルパイン志向のハードユーザーに…というように、今まで以上にいろんなシーンで積極的に着用できると考えたのです。

軽さはそのままに、より使い勝手よく

――新しいレグンは具体的にはどんな点を変えているんでしょうか?

アルパインクライミングや沢登りで活躍できるように、まずはヘルメットに対応できるフードサイズに見直しました。ただフードを大きくすれば良いわけでなく、頭の多様な形やサイズに対応できるようフィット感にもこだわりました。

ヘルメットをしてフードを被ったときに肩部分が上がって、ザックを背負うとつっぱってしまうことのないように。そしてヘルメットをかぶっていないときもツバが前に余りすぎて視界を妨げないように。

多様なシーンを想定して、どんな使い方にもストレスのないフードサイズとカッティングを追求しました。

また、登攀という行動を想定すると、腕は上げやすく裾はずり上がりにくいに越したことはありません。そこで脇部分にマチを追加し、さらに曲げ伸ばしのしやすさを向上させるために肘にダーツも入れています。

エバーブレス生地の本来の特性である異次元ストレッチとの相乗効果で、さらに動きやすくなりました。

ジャケットにはもともと内ポケットがありましたが、着用時の収納アクセス性を見直し、左胸に携帯電話などの小物をサッと出し入れできるサイズ感のアウトポケットへ変更しました。

また、雨天でなくても春先や寒い時のハイキングや自転車で肌寒い時などに風よけとしてシェルを着ることもありますが、そういった時にフードのバタつきは意外にストレスになるものです。

そこで、簡易的にフードをまとめられるシステムを追加しました。

これはファイントラックシェル初の試みです。フード収納フックパーツには柔軟で破損しにくいオリジナルパーツを新たに製作しました。

フードをまとめるとスタンドカラージャケットのように首回りの風を防ぎつつフードがバタバタすることはありません。これなら雨の日以外にも積極的に着られます。

重たくならないよう、シンプルに

――そんな中で気を付けたことはありますか?

フードを大きくすると重量はどうしても増えてしまいます。
しかしエバーブレス®レグンの特長である軽量・コンパクトさは失いたくありませんでした。

機能を追加してパーツが増えたり縫製が複雑になれば、それだけウエア重量が増えてしまうのが一般的なのですが、エバーブレス®レグンは縫製箇所やパーツは増やさないように気を付けました。
シンプルな縫製で必要な機能と重量を最適なバランスで両立できるよう、試行錯誤を繰り返したのです。


(サンプルができるとフィールドでテストして、修正する。そんなことを繰り返して細部の仕様を固めていった。右側手前が畠山が着用するエバーブレス®レグンの1stサンプル。)

だから新しいエバーブレス®レグンは、機能が追加され汎用性は高くなりながら、重量の増加を最低限に抑えることでリニューアル前とほとんど同じ軽量コンパクト性を実現しています。

――見た目もこれまでとは印象が異なりますね。

フロントファスナーを一番上まで上げた際に窮屈感がないように、襟先の立ち上がりデザインを変更しました。正面部分になるので、ここのラインが変われば商品の印象が変わります。

顎周りの空間を確保しつつ、すっきりした縫製ラインにできるよう切り替え線を工夫したことで、シンプルながらもエッジの効いた顔になったと思います。

また、従来品では裏生地の色は技術的に着色が難しかったため白色だったのですが、今回から着色が可能になりグレーに染めました。そうすることで表地の発色がマットになり、上質な雰囲気を出すことができたのです。

見た目の印象が変わっているのは、これらの要因からくるものですね。

――なるほど。

異次元ストレッチを備えたファイントラックのエバーブレス®シェルの中で、最軽量のコンパクトなアウターシェルです。
その軽さを活かし、また水切れの良さを生かし、強さを活かし、さまざまなフィールドでより使いやすくなるようにしたのが今回のリニューアルです。

この実用性をみなさんもぜひフィールドで実感してください。

■■■ 今回紹介したアイテム ■■■

エバーブレス®レグン
~タフで軽量なマルチシェル~

軽くて摩耗に強いマルチシェル。軽量コンパクトなレインウエアとして、無雪期の登山はもちろん、アルパイン志向のハードユースや、トレイルラン、バイク、沢登りやウォータースポーツにも活躍します!

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