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5/202021

「期待通りの機能で、サイクリングがもっと快適に」vol.6 ひびき出版:田村浩さん

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自転車に乗るサイクリストにも、汗冷えに悩んでいる人は多いらしい。それが登山ほど大きなリスクになることはないけれど、走るコースに応じて下着を見直すと、サイクリングはより一層快適になる。ドライレイヤー®との上手な付き合い方を、バイクパッキングの達人に教わった。

自転車をこよなく愛するベテラン編集者

広くアウトドアを楽しむ人たちの間で、じわじわと人気が出ている“バイクパッキング”。大きな荷物を背負って旅をする“バックパッキング”とリンクさせて、自転車に荷物を積んで旅をする様子を思い浮かべる人は少なくないでしょう。

しかし「バイクパッキングはスタイルを表しているんです」と教えてくれたのが、今回話を聞いた田村浩さん。自転車関連の出版物を制作する、ひびき出版の代表を務める編集者であり、著書に『バイクパッキング入門 自転車ツーリングの新スタイル』(実業之日本社)などを持つバイクパッキングの達人でもあります。


立木があるキャンプ場なら、テントの代わりにハンモックもよい選択肢。涼しいので夏場は快適。また、長いポールが不要なので、自転車用の小さなバッグにも収めやすい

片道約10kmの通学路を自転車で走っていた高校生時代から自転車に興味を持ち、バイクパッキングで日本縦断をしたこともある田村さんは、もちろんドライレイヤー®の愛用者。中でもドライレイヤー®クールがお気に入りと言います。

バイクパッキングの楽しみ方から、サイクリングを快適にするドライレイヤー®との上手な付き合い方についても伺いました。

バイクパッキングは新しい荷物の運搬スタイル

―ドライレイヤー®について話を聞く前に、少しだけバイクパッキングについても教えてください。

自転車でもバイクでも、旅目的で行動することは“ツーリング”になります。自転車でツーリングに出かけようと思うと、必要な道具のあれこれを持っていくために、昔は金属製のキャリアを車体に装着してバッグを吊るすスタイルが主流でした。

アウトドア道具やバッグ類が進化し、さまざまな自転車で気軽にキャンプ旅を楽しめるようになった

そうじゃなくて、バッグ本体を自転車に直接取り付るという新しい方法を“バイクパッキング”と呼ぶことが多いですね。

―旅をしなくてもバッグを直接取り付けて走れば、それが“バイクパッキング”になる?

僕はあくまでスタイルだと理解しているので、泊まりがけのツーリングをバイクパッキングスタイルで楽しむ人もいれば、日帰りで何百キロも走るロングライドの荷物を入れるために、バイクパッキングのスタイルを取り入れている人もいます。

―バイクパッキングの利点は何でしょう?

荷物を積むときにキャリアが要らなくなるので、やっぱり軽くなることですね。ただ、バッグが小さくなるので小さい荷物しか積みにくくなる不便はあるんですけど、いまはキャンプ道具なども小さくなってるじゃないですか。

そういう道具の進化との相乗効果で、バイクパッキングというスタイルでキャンプをしたり、どこか遠くまで走ったりする計画を立てやすくなったんだと思います。

―普段バイクパッキングでどんなサイクリングを楽しんでいますか?

バイクパッキング用に作られているバッグって、自転車を降りた時も持ち運びやすいんです。なので、目的地の近くにある駅まで自転車を輪行して、周辺を走ってキャンプでもして、翌日も適当な駅まで走って輪行で帰ってくることが多いですね。

キャンプ道具のボリュームを減らすために、テントの代わりにファイントラックのツエルト1を選ぶことも多い

汗冷えは致命傷にはならないけど、できれば辛い思いはしたくない

―登山者にはドライレイヤー®が浸透している感覚があるのですが、自転車に乗る人でも田村さんのようにドライレイヤー®を着ている方は多いですか?

僕の知っている限り、周りでドレイレイヤー®を着ている人は少ないですね。認知度や着用率はまだまだだと思いますよ。

―そもそも、自転車に乗る人で汗冷えに悩んでいる人が少ないのでしょうか?

それが逆で、汗冷えに悩んでいる人は相当多いです。それで風邪を引いたとか、お腹を壊したとか、そういう話はよく聞きます。

―それは意外です。田村さんも同じような体験をお持ちですか?

一概にウエアのせいとは言えないですけど、自転車で越えられる峠には標高が2000mを越えるものもあるんです。自転車だとその標高の高い峠を越えるスピードがすごく早いんですよね。2~3時間で登って、30分で下るみたいな。

話を聞いた当日は生憎の雨。その中を自転車に乗って豊島区にある自宅から豊洲まで走ってきてくれた

そういう急激な変化が自転車にはあるので、登りは汗だくになって、下りでそれが冷えて凍えるようになってしまい、参ったなっていう経験は何度もしてきました。

―考えるだけで身震いしそうな状況ですね。

中にはそういう状況で走れなくなってしまう人もいます。でも、自転車の場合は登山とは違って、それが極端なリスクになることはまずないんです。たとえば、街があればコンビニとかに逃げ込めるので。

―それでもドライレイヤー®を着る理由は?

全行程を通してサイクリングが“快適”になるからです。無駄に辛い思いをしないで済むんです。

期待通りの性能を発揮してくれる快適な下着

―ドライレイヤー®を着るようになったのは、過去の凍えるような経験がきっかけですか?

それもあるんですが、少し前にブルベっていう超ロングライドにはまっていた時期があるんですよ。1日に200kmとか600kmとか走る、ちょっと理解に苦しむイベントなんですけど、長い距離を走っていると天気が途中で変わったり、標高によって気温が左右されたり、すごく環境が変化するんですよね。

そのとき、いろんなインナーを試したんですけど、サイクルウエアブランドの商品に少し物足りなさを感じていたんです。そこで、やっぱりアウトドアメーカーのものがいいかなと思っていろいろ試した中で、ドライレイヤー®が快適だったんで、それから何着も買ってずっと使っている感じです。

―快適だなと感じたポイントを教えてください。

汗をかいてもドライレイヤ―®が保水しないので肌に触れる部分が湿ることはないし、薄いメッシュ生地なので蒸れることもありません。また、 “着ている感じがしない”ところもいいですね。

自転車とバッグ、そしてアウトドア道具の軽量化・コンパクトが進んだことで、キャンプ装備を積みながら林道ツーリングも楽しみやすくなった

さっきも話したように自転車は環境の変化が激しいので、登りでかいた汗が早く肌から離れて乾いてくれないと困っちゃうんですよね。そういう意味で下着はかなり重要で、そこで僕が期待している性能を発揮してくれているのがドライレイヤー®だと思っています。

―肌に直接サイクルウェアを着るよりも、下にドライレイヤ―®を着たほうが快適になる?

そうですね、汗冷えを軽減しつつ、上に着ているサイクルウェアにすばやく汗が移るので、乾きも早いような気がします。

下着は薄くして防寒性はアウターで確保する

―田村さんはドライレイヤ―®クールを愛用していると伺いました。クールはドライレイヤー®の中でいちばん通気性が高いモデルです。一年中ドライレイヤー®クールを着ているのでしょうか?

夏も冬も着ています。いい意味で存在感がない生地の薄さがクールを選んでいるポイントです。

―冬は寒くないですか?

保温性はドライレイヤー®の上に着るウエアでまかなうことが多いです。本当に寒いときはドライレイヤー®の上に下着を二枚着たり、最初から保温性の高いメリノウールのインナーを着たりすることもあります。

2020年の新春に経験した道北ツーリングのひとコマ。ウエアの進化によって、氷点下10℃といった低温化でも快適に走ることができた。アウターはエバーブレス®フォトン

―インナーには保温性を求めないほうがいい?

自転車用の冬用アウターって防寒性の高いものが多いので、インナーはあんまり保温性が高い厚手の生地のものは選ばないですね。厚手の下着を着ると着心地が窮屈になるし、かといってゆったりサイズにすると風で服がバタついてストレスなので、自転車には向かないんです。

走るコースや距離に応じてドライレイヤー®を活用しよう!

―ドライレイヤー®は自転車に乗る万人にすすめられるウエアだと思いますか?

汗冷えを気にするしないは個人差があるので、なかなかすべての人にすすめられるものではないかなと思います。そもそも体質的に発汗量が多い人にドライレイヤー®をすすめても、汗冷えを軽減する効果を実感してもらえるかどうか、正直わからないです。

あと、たとえば日帰りで都内からお台場に来てガンダムを見て帰るとか、時間も距離も短い計画だったら下着にこだわる必要はないですよね。そういう方は汗冷え云々を気にせずに、好きなファッションでサイクリングを楽しめばいいと思います。

―では逆に、どんなサイクリストにドライレイヤ―®は向いていると思いますか?

ひとつはアップダウンのあるコースを走る人ですね。標高によって気温が変化するし、登りと下りで運動量も変わるので、そういうコースを走ろうとする人はドライレイヤー®を用意した方がいいでしょう。

あと、逆にアップダウンが少ないコースでも、長い距離を走ると時間の経過によって天気や気温が変化します。朝は寒くて昼間は暑いとか。そういう走行時間が長くなるロングコースを走る人も、ドライレイヤー®を選んだ方がいいかもしれないです。

―走るコースに応じて、上手にドライレイヤー®を利用すると良さそうですね。

いずれの場合も汗冷えが登山ほど大きなリスクになることはないと思うんですけど、全体を通して“快適”であることが、より一層サイクリングを楽しむ秘訣だと思います。

 

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教えてくれた人

田村 浩(たむら ひろし)さん

1971年生まれ、東京都練馬区出身。出版社勤務時代に自転車雑誌の編集に携わり、その後「ひびき出版」を立ち上げて独立。自転車雑誌「サイクルスポーツ」の編集業のほか、バイクパッキング、自転車キャンプ、ロングライドにまつる著書を執筆している。著書に『バイクパッキング入門 自転車ツーリングの新スタイル』(実業之日本社)、『鉄道で広がる自転車の旅 「輪行」のススメ』(平凡社)などがある。

構成/文 吉澤英晃