DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

10/152021

「世界を巡る冒険で感じたNo.1のアンダーウエア」vol.11 grav bicycle 小口良平さん

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今回話しを聞いた小口良平さんは、自転車で世界157ヶ国を旅した冒険家。なぜ世界を巡る旅に出たのか、そこでの貴重な体験、冒険達成後の変化とは。旅先で感じたドライレイヤー®の実用感と共に、壮大な挑戦のリアルなエピソードをお届けします。

目次

  1. 日本人最長! 世界、約15万キロを走破した冒険家
  2. 一生に一回のチャレンジで、世界のルールを見てみたい
  3. 本当の自然を知ったアラスカと、死の恐怖と向き合った西アフリカ
  4. 汗冷えの軽減だけでなく、保温効果も体感
  5. 一度の人生、何をしても大丈夫!

日本人最長! 世界、約15万キロを走破した冒険家

自転車は私たち人間にとって、いちばん最初に長距離移動を叶えてくれる乗り物です。人力という制限はありますが、命が続く限り、どこまでも走り続けることができます。近所のサイクリングから、日帰りのロングライド、泊りがけのツーリングを経験すると、いつかは日本一周、さらには世界一周など、夢はどこまでも広がるもの。

小口さんは温和な笑顔が印象的。普段から愛用しているドライレイヤー®ウォームのロングスリーブを着て取材に応じてくれた

今回話しを聞いた小口良平さんは、そんな夢を叶えた冒険家。2007年から1年をかけて日本を一周し、2009年からは約8年半の歳月をかけて世界中を自転車で走りました。訪れた国は157カ国。総走行距離は155,502kmにも及びます。

ファイントラックは、2014年から小口さんにドライレイヤー®を提供。冒険の中で感じた着心地を聞く前に、挑戦に至るきっかけから話を伺いました。

一生に一回のチャレンジで、世界のルールを見てみたい

−どうして世界を巡る自転車の冒険に挑戦しようと思ったんですか?

大学3・4年生ぐらいのときに就職活動が始まって、本当にやりたいことってなんだろうって考えたとき、大学で勉強していた法律関係の仕事をして生きていくのも、なんかおもしろくない人生で終わってしまうんじゃないかと思って、夏休みに1ヶ月間、初めての海外旅行でチベットに行ったんです。

そしたら、帰りの飛行機を待つためにキャンプ道具を持ち込んで3日間寝泊まりしている現地の家族とか、当時ニーハオトイレといわれていた壁のないトイレとかを目の当たりにして、自分の中にあった常識がどんどん変わっていきました。

小口さんが学生だった頃は、日本社会が“就職氷河期”と呼ばれていた時代。「社会=おもしろくない」と考えていたと言う

それと、3年間かけて約4000kmの道のりをお辞儀をしながら進んできた五体投地の修行をしている人にも出会って、おでこに痣ができていたのを見たとき、何でやってるんだろう、意味があるのかなと思って、話を聞いてみたんです。そしたら「結果は求めてない。社会に価値がなくても、自分に意味があるからやるんだ」と言われました。

このとき、日本のルールじゃない、自分だけの本当のルールを決めようと思ったんです。そして、それなら海外の国々のルールを見てからでも遅くないと思って、これが世界を巡ろうと考えるようになったきっかけです。

−移動手段に自転車を選んだ理由は?

子供の頃、兄貴と一緒に実家の近くにあった諏訪湖を自転車で一周した楽しい思い出があったんです。それと、就職活動で悶々としていたときに遠くへ行ってみたいと思って、当時住んでいた東京都の板橋から箱根まで自転車で走った経験も大きいです。

小口さんが運営する「grav bicycle」の壁に飾られていた現役のグラベルバイク。当時はママチャリだったが、いまは本格的な自転車で冒険を続けている

そのときは5時間も走ったら全身が痛くなってしまい、崩れるように湘南のコンビニの駐車場に倒れ込んだんです。そしたら、何もできない自分に情けなくなって、涙がボロボロ出てきました。そんな姿を近所のおばあちゃんが見ていて、多分私を励まそうとしてくれたんでしょう、お茶を差し出して「泣いている理由は分からないけど、汗と涙は人のために流すものだから、自分のために流す涙は今日だけにするんだよ」って言ってくださったんです。

その言葉に背中を押されて、もう一度頑張ってなんとか箱根まで到着してアパートに帰ることができたんですけど、自転車に乗っていなかったら、あのおばあちゃんには出会えなかった。

これが世界一周の冒険に自転車を選んだ大きな理由になりました。

本当の自然を知ったアラスカと、死の恐怖と向き合った西アフリカ

−約8年半の冒険の中で、いちばん楽しかった思い出はなんですか?

ひとつは、アメリカ大陸の北西の端にあるアラスカで目の当たりにした、圧倒的な自然です。

2014年6月@アメリカ合衆国、アラスカのデナリ国立公園。「世界の冒険家・植村直己さんと同じ場所に立つ」

アラスカでは定期バスか自転車か徒歩でしか通れない、100kmくらいあるナショナルパークの中を走りました。すると、そこはグリズリーの住処で、頻繁に野生のグリズリーと遭遇するんです。管理されていないサファリパークみたいな感じです。もちろんベアスプレーは持っているんですが、射程距離が約10mと短いので襲われる恐怖は拭えません。

でも、20mくらいの距離になると、向こうが藪の中に消えたりするんですよね。そのとき、世界は自然がメインで、人間はあくまで自然の一部なんだと感じました。それと、日本では人間と野生動物は敵対関係みたいな感じがすごいあったんですが、アラスカでは自然の中で住み分けがちゃんとできていたんです。

2014年7月@カナダ、ジャスパー国立公園付近。「この自然世界では動物が主人公。アメリカンバイソンの群れに敬意を示してゆっくりと脇を抜ける」

アラスカには、ムースやアメリカバイソン、カリブーなども生活してるんですが、彼らが暮らしているフィールドを見極めれば人間とバッティングすることはないし、ルールや野生動物に対する危険行為を子供のころから教育されているので、同じ自然の中でも共存できている。

人間と野生動物の関係を含めて、自然の本来のあるべき姿に出会えたのは、すごく貴重な経験でした。

−逆に、いちばん辛かったことも教えてください。

西アフリカに行ったときですね。西アフリカは世界の縮図といわれるぐらい、いろいろな問題を抱えていて、分かりやすく言うと治安がすごく悪いんです。テロリストの拠点があるので外国人の誘拐も流行っていて、それだけでなく、マラリアとかエボラ出血熱といった病気、40度を越える気温、視界が遮られるほどの激しいスコール、砂や泥の悪路など、外からのプレッシャーもすごいし、自分の中にある「早く走り抜けないとやばい」っていうプレッシャーにも押し潰されそうになっていました。

2012年12月@モーリタニア、西サハラ国境にて。「地雷の用意された砂粒の国境2kmを、1時間かけて慎重に進む」

銃口を突きつけられたこともあるし、夜には乾いた花火のような音が鳴って、それが銃声なんですけど、それを聞いちゃうと、もう心臓がドキドキして眠れないんです。
いま見返しても写真の数がやっぱり少ないのは、カメラを出すのが怖くて撮影できなかったからだと思います。

その西アフリカで原因不明の病気にかかって寝込んだときは、初めてホームシックになりました。
でも、そのときも優しくしてくれた人がいて、体力が回復するとともに、もうちょっと続けようという気持ちになって、7ヶ月かけて走り切ることができたんです。

2013年5月@マリ、ジェンネの泥のモスク。「アフリカの土にまみれ、彼らの生活にまみれる」

過酷がゆえに、いちばん記憶にも残っていて、日本では体験できない経験をさせてもらいました。でも、もう一度世界でどこを走りたいかと聞かれたら、風化してしまった刺激を求めて、西アフリカと答えると思います(笑)。

汗冷えの軽減だけでなく、保温効果も体感

−冒険中にドライレイヤー®を着て、汗冷えを軽減する効果は感じましたか?

暑い地域では、走行中にかいた汗を吸ったベースレイヤーが肌面に触れないので、濡れによる冷たさを感じることはありませんでした。逆に寒い地域、たとえば南米のボリビアにあるウユニ塩湖は標高が3700mもあるので夜になると気温がマイナス15度まで下がるんですが、そういった環境では寝ているときに汗を吸ったウエアに霜が付くんですけど、ドライレイヤー®は保水しないので、凍ることがなかったです。そういう意味では、汗冷えを防げるし、保温効果もあると感じました。

「その先の向こうへ」〜世界は広い。そして地球は丸い。孤独を愛することこそ、冒険家としてのメインファクターだ〜@Uyni,Bolivia(Dec.2015)

−当時はどんなレイヤリングで冒険を続けていましたか?

長袖のドライレイヤー®を着て、その上に吸水速乾性があるTシャツを重ねることが多かったです。

日焼けがいちばん体力を消耗するので、とにかく肌を露出しないようにしていました。なので、たとえばブラジルとかは、気温が40度で湿度もすごく高かったりするんですけど、結果的に長袖を着た方が快適なんです。

それと、蚊によって媒介されるマラリアとかジカ熱とか、いろいろな病気も心配だったので、肌を覆うロングスリーブのドライレイヤー®を愛用していましたね。

−冒険を終えた帰国後もドライレイヤー®を着ているそうですね。

現在はサイクリングツアーなどを主催し、参加者に自転車のおもしろさを伝えている。サイクリングツアー 〜サイクリングガイドを子供たちの憧れの職業に〜2020

自転車に乗るときは夏でも気温によってドライレイヤー®を着ることがありますし、冬は必ず着用します。着心地は私みたいな割と細身の人にもフィットするし、かといって伸縮性があるので窮屈に感じない。肌触りもすごくいいです。擦れたり毛玉ができたりしても穴があくことはそうそうないので、丈夫ですよね。

それと、洗濯後に完全に乾かさなくても、水を絞ったまま着れば走っているうちにすぐに乾くのもいいですね。私みたいに何日も同じ服で走って、たまに洗濯するような使い方をする人には、すごくありがたいです。

−ドライレイヤー®はどんな人におすすめできると思いますか?

自転車で長い距離をツーリングする人とか、泊りがけで山に入る人とかに、すごくおすすめだなと思います。1枚持っていれば、ほかのアンダーウエアを持たなくてもいいので、その点もすごくいいですね。

一度の人生、何をしても大丈夫!

−冒険を終えてから、自分の中で変わったことはありますか?

これは冒険の途中から生じた変化かもしれないですが、自分の中で冒険の経験値が上がるにつれて、どんなに危機的状況に置かれても過去の経験から安全な行動を選べるようになるし、自然とそうなることが分かってきました。すると、社会に対しても人間関係に対しても、何事にも余裕を持てるようになったんです。

「天国と地獄」〜眼の前に突如現れたストーム。98%びびっているのに、どこか2%ぐらいがわくわくしている。この2%が冒険心だ!@Death Valley,USA(Sep,2014)

いまはその余裕が、何をしても大丈夫! と、次の冒険に向かうチャレンジ精神を助長してくれています。

−まだ冒険は続いているんですね。今度はどんな計画を考えているんですか?

まだ訪れたことがない国が残り37カ国あるので、1年に1回走りに行っています。75歳で一応コンプリートできる計画で、2020年の1月にはミャンマーを2週間くらい走りました。

それと南極にも行っていないので、次は南極を自転車で走ってみようと考えているところです。
何事にも不可能はないので、いつかは月にも行けると思っています(笑)。

 

【教えてくれた人】

小口良平(おぐちりょうへい)さん

1980年生まれ。長野県岡谷市出身。
冒険から帰国後、サイクリングツアーなどを主催する「grav bicycle」を運営。
バイクパッキングイベントやサイクリングガイド養成講座を企画し、自転車のおもしろさを伝えるために精力的に活動している。
自転車を通じて長野県の魅力を発信する「ジャパン・アルプス・サイクリング・プロジェクト」の副代表も務める。

grav bicycle
「自転車旅の楽しさを伝えるために、ガイド付きサイクリングツアーを行っています。har fdayからday trip、バイクパッキングから1週間かけて日本のど真ん中から海を目指すサイクルサマーキャンプ。ビギナーからハードコア、子供から大人まで楽しめる企画ツアーが充実しています。また、eバイクやファットバイク、グラベルバイクもレンタルしています。修理やメンテナンス講習も開始。サイクリングマップ配布やエイドステーションとしてもご利用ください。」

 

構成/文 吉澤英晃

 


ドライレイヤー®ベーシックの特長


肌に直接着て、その上に吸汗速乾ウエアを重ねることで、肌をドライにキープ。汗冷え・濡れ冷えのリスクを軽減し、登山やアウトドアでの安全・快適性を高めます。

肌をドライにする撥水性


優れた撥水性によって、かいた汗を瞬時に肌から離し、肌をドライにキープ。汗冷えを抑えて、体温を守ります。

 

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