DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 清水 憲柱

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スタッフの遊び記録
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自粛期間ジムに通い詰めたおかげで、最近クライミングの調子が良い。そして夏が終わり気温が下がり始め、クライミングシーズンが近づいてきたところに、ようやく緊急事態宣言が解除された。
こうなるとマルチピッチや山でのクライミングに行きたくなる私の心を見通したかのように、後輩の岩出から錫杖岳でのクライミングの誘いがあった。
断る理由がない。
二つ返事で了承し、計画を立てはじめる。
岩出と希望ルートをすり合わせる為、仕事なみに熱い打ち合わせを行い、初日はLittle Wing(5.10c)、2日目はじーやの大冒険(5.10a)へ行くことが決定した。

■登攀日 2021年10月9日~10月10日

■2021年10月9日

渋滞を避けるため、暗いうちから歩き始め、日の出とともに1ルンゼ取りつきに到着。狙い通りの1番乗りだった。
じゃんけんで勝った岩出のリードでスタートする。2人ともここを登るのは2度目だが、見た目より悪いので目を覚ますのにぴったりだ。

その後もつるべで登って順調に高度を上げていき、途中で1ルンゼからトラバースをする。
ここからいよいよLittle Wing(5.10c)のオリジナルピッチだ。写真右のクラックを登る。

まずは岩出のリード。
気を抜いて登りすぎると行き詰まるタイプのルートだったが、オブザベがしっかりとハマり、頼もしい登りで危なげなくオンサイト。

ここまでくると高度感があり、気持ちが高まる。

いよいよ核心ピッチ。出だしから手が甘く強度が高い。しかも打ってあるボルトが半分抜けかかっていて緊張感がある。

余裕はなかったが、何とか落ちずに序盤のボルトパートを抜けることができた。
しっかりとレストした後、クラックに導かれるように上まで抜ける。

気持ちいい爽快なルートだった。

少し藪を超え、凹角のクラックを1ピッチを登って登攀終了。
終了点で休憩し、数回の懸垂で取りつきまで戻った。

Little Wing(5.10c)全景。序盤は1ルンゼと共通で途中から側壁のクラックを登る。
久々に高度感のあるルートで満足した。

テントをはった錫杖岩屋は平坦で水場も近く、最高のテンバ。
夕立が軽く振ったが雨もかぶらず快適だった。

振り返れば錫杖が見える最高のロケーション。テンバを確保するために早起きした甲斐があった。

くつろぎながら明日の行程を確認し、明日に備えて早目に眠りについた。

■2021年10月10日

翌日も暗いうちから動き始め、取りつきで日の出を迎えた。

今日のルートであるじーやの大冒険(5.10a)は3ルンゼの取りつきから少し上がったところから始まる。

ルートの核心である1ピッチ目は岩出のリードでスタート。奮闘的なチムニーに苦労しながらも1時間以上の粘りの末、無事オンサイト。

1ピッチ目終了点からはP4ルーフが見える。これもそそられる見た目でまた登りに来たい。

簡単な2ピッチ目をあがり、3,4ピッチはルンゼ状を登る。

グレードは高くないが、チョックストーンをいくつも超えていくため、ハング越えのようなムーブになる。

クラックが使えて、岩も固いため、豪快に行ける楽しいパートだった。

最後に草の生えた凹角を登って終了。
終了点で景色を見ながら少し休憩をする。

向かいの雄大な穂高の景色に目を奪われながらも、岩壁を見て次に登るルートを考え始めるのは、クライマーの性であろう。

じーやの大冒険(5.10a)のルート全体図。
計5ピッチで登り、10mほどの小さい懸垂と60mいっぱいの懸垂を2度行うことで、3ルンゼの1ピッチ目終了点まで降りることができた。

その後、テントを撤収して下山する。

少し期待していた紅葉は見られなかったが、次に来る予定の冬を想像すると楽しみになる。
この山にはまだまだ遊ばせてもらえそうだ。

アルパインクライミングではたいてい長いアプローチで急斜面を登り、汗をかいた状態でビレイに入る。
標高があがり気温が下がったところで全く動かなくなるこの瞬間が汗冷えを特に感じる場面だ。

山を始めたころは汗が乾くまで汗冷えに耐えるしかなかったが、今ではドライレイヤーが防いでくれる。
最近は近場の低山へ行くことが多く、気温も高かったため汗冷えを感じることはほとんどなかったが、やはりアルプスなどの2000m以上に行くときには欠かせないウェアだと再認識した。

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