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8/282025

新開発の防水透湿生地で、極薄コンパクトなミッドシェル®が誕生!

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~2025秋冬新商品「ミューラップ」開発STORY~
この秋新しく登場する極薄コンパクトな速乾ミッドシェル®。その背景には新素材の開発や、極薄生地を縫製するための数々の工夫が必要でした。
開発を担当したfinetrack社員2人に、新商品誕生までの経緯を聞きました。

 

目次

  1. いつも中途半端な山岳環境にマッチするベストな相棒
  2. 薄さを追求した生地開発
  3. 幅広く活躍するシェルに

いつも中途半端な山岳環境にマッチするベストな相棒

適度に水を弾き、風を防ぎ、軽くて動きやすい。「どれもそこそこ」な機能が、山の幅広い天候や気温差に対応できるミッドシェル®。多少の雨や雪なら雨具なしでもそのまま行動できる耐水性、高い透湿性、ごわつかないしなやかな着心地は「絶妙すぎて一度着たら手放せない」とコアなユーザー様にもスタッフにも愛されています。
しかしながら「シェルだけどアウターシェルではない」という商品性から、一般的に見て少しマニアックなアイテムであるのも事実です。

1. もっと軽量コンパクトに特化すれば、「ザックに入れておいて必要なときだけ着用する」といっお守りのような使い方もできるのではないか?
2. もっと薄ければダブルシェル®(アウターシェルの下にもう1枚シェルを重ねること)の考えが受け入れられやすくなり、幅広い登山者に安全と快適を届けられるのではないか?

そんな2つの動機から開発をスタートしたのが、この秋登場する新しいミッドシェル®「ミューラップ」です。


生地開発担当の田中(左)と商品開発担当の森田(右)

薄さを追求した生地開発

これまでファイントラックが開発してきた防水透湿生地のメンブレンは、雨などで濡れても高い透湿性を維持するために「多孔質膜」を採用してきました。


多孔質膜エバーブレス®エアを採用したフロウラップの生地断面図(左)と無孔質膜エバーブレス®μを採用したミューラップ®の生地断面図(右)

しかし多孔質膜はその名の通り膜に無数の小さな穴があるため、一定の厚みがないと強度を保てないことがデメリット。だから防水透湿生地の薄さを極めるなら採用すべきは「無孔質膜」なのですが、一般的な無孔質膜の素材に使われるポリウレタンは一度水分を吸収して膨潤すると乾きにくく、その後は透湿性に悪影響をもたらします。そうなるとたとえ試験の数値上では高い透湿性を出せても、実際にフィールドで行動するとなかなか透湿せず、蒸れて不快。いくら軽量でも快適でないウエアを開発するわけにいきません。


生地開発について語る田中

活路を見出したのは、素材にポリエステルを使った無孔質膜。透湿のメカニズムは一般的なポリウレタン系無孔質膜と同じですが、一旦吸収した水分を放つスピードが抜群に速いため、高い透湿性を持続できるのです。これならば、と採用したその膜の厚みは従来のエバーブレス®メンブレンのおよそ1/3。そこに15デニールポリエステルニットの表地、7デニールナイロンニットの裏地でラミネートすることに成功し、限界まで薄く、軽量・コンパクトな防水透湿生地「エバーブレス®μ(ミュー)」が誕生しました。


羽衣のように薄い表地。これをメンブレンに貼り合わせられる技術がまたすごいのだとか


エバーブレス®μメンブレン

これら極薄素材を3層生地に貼り合わすことができるのは、日本の繊維加工技術の高さによるもの。
5年の歳月を要したこの生地の開発についてはこのカタログのP8、『Made in Japan』のページでご紹介しています。

幅広く活躍するシェルに

極薄生地が完成に近づいてきたころ、製品サンプルを創ってスタッフたちのフィールドテストが始まりました。
生地が薄く柔らかいため、これまでのミッドシェル®と同じサイジングにすると、春~秋など内側に着るウエアが薄いときはダボついて風でバタバタとなびいてしまいます。そこで身幅や脇の周辺のサイジングをやや小さく、ただし厳冬期用のミッドレイヤーも着られるベストバランスを探って微調整。幅広いシーズンに快適なフィット感となるよう調整しました。


パターンや製品の仕様について語る森田

また小雨や粉雪、風の侵入口となるフードや袖口には重い部材を使わずフィットさせる仕様で、軽くコンパクトながらも快適な設計にしています。


ゴムシャーリングで、シンプルだけどフィットするフード

ストレッチ性の高い極薄3層生地を縫製するには非常に高い技術を要するため、使用する糸や縫い方を何度も繰り返し調整しました。

生地開発だけでなく縫製面でもチャレンジが必要だったミューラップですが、これによりフロウラップ®ではマッチしづらいアクティビティをメインに活動される方にもミッドシェル®の快適さをお届けできるようになりました。


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また、保温性や強度を求めるならフロウラップ®、軽さと速乾性を求めるならミューラップと、シーンやアクティビティに応じて使い分けるのもおすすめです。
日本の高い繊維加工技術と縫製技術が詰まったミューラップ、ぜひその軽さ薄さをお手に取って体感してみてください。

(finetrackスタッフ 田中・森田)

「エバーブレス®メンブレン」の約1/3の薄さで速乾性に優れた新開発の「エバーブレス®μ(ミュー)」メンブレンを採用。透湿性にも優れ、オールシーズンの登山や運動量・発汗量の多いアクティビティに快適です。非常に軽くコンパクトなので小雨や小雪に対するお守りウエアとしてザックの中に忍ばせておくにも適しています。

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