DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

伯耆大山は、西日本の貴重な冬季アルパインクライミングのフィールドだ。バックカントリーのフィールドとしては本峰以外の周辺の山や谷に魅力的なラインが多いが、急峻な本峰周辺にも、滑走可能なラインはあり、登りをクライミングで、滑りをテレマークスキーで登りも下りも楽しんでしまう、Climb & Glideのフィールドとしても面白いだろうと、目を付けていた。
今回、以前から温めていたライン、北壁、天狗沢のアイスのラインから登攀し、南壁、三ノ沢ラインを滑走する大山を北から南に横断するClimb & Glideにトライ。
上りも下りも面白く合理的な美しいラインを引くことができた。

■アクティビティ日:2018年3月3日

スタートは古刹・大山寺。



元谷沿いに登って、最初の大きな堰堤を超えると、大山北壁のパノラマが広がる。

アプローチもスキーが使えるので楽だ。天狗沢は黒々と聳え立つ大屏風岩の左に青白い氷のラインとして見えているのでわかり易い。近づいていくと、先行パーティが二組、登り始めているのが見えた。

元谷側からひっきりなしに落石と氷の破片が落ちてくるので、そそくさと二股を通過する。斜度の強い 沢の中を長時間行動するこのルート、雪崩に対しては慎重な判断が必要となる。今回は、暖気が入って落ちるものが落ちた後、しっかりと冷えたのでコンデションは悪くなさそうだ。
さあ、Climb on!

1ピッチ目。WI3-4くらいで、スキーを担いで登るにはちょうど良い斜度だが、スケールがあるため見た目以上に長い。スクリューは今回少なめなので、ランナウトしながら50mほど伸ばす。

1ピッチ目終了点から。三鈷峰の壁が美しい。
しかし、このビレイ点、先行パーティの雪や氷のほか、日の当たった壁からの氷や小さな岩がひっきりなしに落ちてきて、時にうなりをあげながらかすめていく。長居はしなくないポイントだ。

2ピッチ目。傾斜は緩むが、雪壁混じりでしっかりとした氷が少なく、アルパイン的になってくる。60m伸ばして、岩の基部で切る。

高度感が気持ちよい。

3ピッチ目。ここからはおおむね雪壁登りになり、スクリューはほぼ役に立たない。夏は崩壊壁になっているためか、プロテクションとして使える灌木がほとんどない。スノーバー、ワートホッグを持ってきてよかった。


5ピッチ目。草つきから雪壁。相変わらず、プロテクションが取りにくいが、草付きはワートホッグがよく効く。最後にちょっといやらしい短いアイスセクションがあった。ここを抜けたら稜線か?と下から見て思っていたが、抜けてみると雪壁はまだまだ続いている。

6ピッチ目の雪壁を抜け、やや斜度が緩んだので、ランニングを取りながらのコンテに切り替える。そのまま200m弱ほど登ってようやく稜線に達した。

さて、僕らはこれから第2ラウンド。右手の三ノ沢は急峻だが、南面なので雪も緩んで十分滑れるコンディションだ。上部は土が出ていたが、ドロップポイントを探して少しクライムダウンし、安定した斜面で準備をする。

散りばめられた落石の地雷に気を付けながら、吸い込まれるような急斜面にドロップ。

上部は広々とした急斜面だ。ノドに向かって狭まっていき、ノド手前で一段落ち込んでいる。慎重にのぞき込むと、落石は多いが雪面はつながっていた。落石を避けながら慎重に素早く通過する。

三ノ沢下部は、広々とした緩斜面。若干落石に気を使うが、以前歩くスキーで訪れたこともあるメローな斜面だ。

ここまで抜ければ一安心だろう。本日スタートして初めて、まともに座って休める場所だった。

スキーの機動力で大山の周回道路まではあっという間の滑りだった。
北から南に横断してしまった分、長い歩きがモレなくついてくる。今回は同行者が車を回しておいてくれたおかげで、桝水原まで大山の麓を5分の1周ほど歩くだけで済んだ。

今回の登りライン

滑走ライン

上方から落ちてくる雪や氷が襟から入るのを防ぐために、フーディタイプのベースレイヤーは有効だ。晴天でギリギリ氷点下くらいの今回程度の天気では、これをヘッドウエアとして帽子やバラクラバも省略することができた。ヘルメットとの相性ももちろん良好。
暑いときも、簡単に脱げるので、温度調整もしやすい。

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