ドライレイヤリング ドライを重ねる 5レイヤリング

春は、熱狂的なエクストリームカヤッカーにとって、心躍る雪融けの増水シーズン。関西で3月に開幕した雪融けパドリングも、この頃には北信越以東にフィールドが移行。そこで、GWの遠征に選んだのは、北アルプスの奥飛騨新穂高の高原川と蒲田川。そして、合掌造り集落の渓谷を流れる庄川である。
■アクティビティ日:2018年4月28日~30日

■1日目 高原川

高原川は、乗鞍岳北側が水源。奥飛騨温泉郷の平湯を経て、岐阜と富山の県境で宮川と合流し神通川となって日本海に注ぐ。

上流の蒲田川狙いで現地集合したが、先日までの雨で水量がまだ落ち着いていない。加えて、蒲田川の流速に適応するためのウオーミングアップも必要、ということで、この日は高原川と決まった。
上流部というのに、岩は丸く削られ、大きさもひと抱えくらいと小さい。増水時のパワーの強さ故だろう。水量は見掛け上やや少なめだが、下り始めるとグッドコンディション。透明度が高く流速は速い。北アルプスを背景に瀬が果てなく続く。

この水量では、瀬はクラス3を超えず、ひとつひとつはそう難しい訳ではない。コースは相当な高低差だが、コンスタントに下かっていくため、ドロップといえるような落差は、序盤のひとつだけ。瀬の数か多いというよりも、継ぎ目なく続いていることが、この川のグレードを引き上げている。特に増水時は非常に危険なレベルに跳ね上がる。

序盤のドロップが前半の核心というならば、杖岩下流の瀬が後半の核心と言える。2つの巨大なポワオーバーを避けて、クランク状に下らなければ、強力なバックウォッシュに捕捉されてしまう。

杖岩を過ぎても瀬は続くが、冗長になってくる。長い距離を揺られ疲労を感じはじめた頃、双六川合流地点に到達して、ようやく長いダウンリバーが終了する。

コース中にある堰堤は2つ。杖岩より上流のゲートがついた大きな堰堤と、杖岩から下流に2つ目の橋にある堰堤で、いずれもポーテージした。

延々と続くクラス3の、カヤッカーの望みを具現化したようなコースだが、急な高低差、速い流れ、瀞場がほとんどないなど、非常に危険な要素を備えている。増水した挑戦的なコンディションでのパドリングは避け、少し水深が浅めというくらいの、パドラーが十分に余裕を持てるコンディションでパドリングされることを願いたい。

■2日目 蒲田川

蒲田川は、神通川支流高原川の上流の支流。北アルプスの錫杖岳、笠ヶ岳、抜戸岳、穂高岳、南岳、槍ヶ岳を源流に、新穂高ロープウェイや新穂高温泉の脇を流れる登山者に馴染みのある川だ。

プットインは新穂高ロープウェイ下。山腹から階段状に続いた堰堤が終わり、ようやく川と呼べるものとなった所から。北アルプスの高嶺から、猛烈なスピードで駆け降りてきた雪代が流れる、正に日本のアルパイン・クリークである。

漕ぎ始めから、見通しの効かない迷路のようなドロップが続く。この区間をクリアできるかどうかが、蒲田川をコンプリートできるかの試金石となる。
この日は、多すぎず少なすぎず、ちょうど落差が際立って瀬がキツくなる水量。流速が恐ろしく速いため、ホールやバックウォッシュが見掛けの大きさよりも遥かに強く、カヤックがことごとくストッピングさせられてしまう。

ひたすら漕いで、失ったスピードを取り戻す。ドロップでは、水がデッキに被さってきて300リットルもあるカヤックを容易に沈めてしまう。流勢が強いため、思い通りのルート取りなど望むべくもなく、コントロールできないことに戸惑いながら、その時々を凌いでなんとか漕ぎ抜けた。

ようやく息がつけるのは、深山荘前のエディ。左岸に上陸し、ここまでのコースを振り返れば、壁のように見える階段状のドロップだった。ここまでの状態から判断し、さらに激しくなる後半セクションの降下は断念。前半が終わる中尾橋にテイクアウトを変更する。

吊り橋下の堰堤をポーテージして、前半の残りを下るべく、再スタート。吊り橋から見える景色は以前と変わりないが、少し下って再び上陸し、核心部をスカウティングすると、3つのドロップで岩が動き、ルートが非常に取り難くなっている。失敗の可能性とリカバリーの難しさから、結果的に300m近くをポーテージした。

スカウティングやポーテージは川沿いに藪や林を進むが、雪が融けたばかりで下草が生えておらず行動は容易だった。カモシカが我々の眼前に突如現れ、再び木々の中に消えていった。

再び漕ぎ始めてからテイクアウトまで、僅か1.5kmの区間も、下り応えのある瀬の連続。

非常に短い距離だったが、一日分の力を使って、ダウンリバーが終了した。

■3日目 庄川

庄川は、岐阜県の鷲ヶ岳と烏帽子岳を源に北上して、御母衣湖や世界遺産の合掌造り集落を経て、富山県の日本海に注ぐ。山間部は深いV字谷が続くため、水力発電のダムが多い川だ。話を聞いて20年以上が経過したがようやく実現。実は、数年前にも白川郷辺りを偵察したが、観光客の多さで諦めていた。

今回は、リバーガイドの友人よりの情報で、富山県五箇山合掌集落近くがコース。ヘッドオーバーのウェーブが続くビッグウォーターということで、期待が膨らむ。

深い崖の渓谷は、川に降りる場所がほとんどない。唯一といえるポイントは私有地で、有り難くも地権者の方の許可を得ることができ、なんとかプットインした。水量の情報は不明だったが、ダムは満水で、ゲートから放水しており、かなり多い。気温は高めだが水は冷たい。

プットインしてすぐの中州で、流れが左右に分かれるが、あえて波の高い左ルートを選び、ビッグウェーブの洗礼を受ける。

あとは特にルートもなく、深い谷間の分厚い流れに運ばれながら、瀬毎に現れるビッグウェーブを楽しむ。
なかでも発電所前の瀬が秀逸で、ヘッドオーバーのスタンディングウエーブが連続。カヤックが空中に突き上げられる、めったにできない感覚を堪能した。

瀞場もしっかり流れがあって、コースタイムは短い。気が付けばテイクアウト地点に到着していた。
パドルトリップはここで終了。例年より雪融けが早く進んでおり心配だったが、減った雪代を補うように雨が降り、結果的にはベストコンディションで、それぞれの川を堪能した。3日間3本のダウンリバーを、自分達の能力を見極めて、コース選択やポーテージを判断して無事に終えることができた。

 

冷たい雪融け水から身を守るために、最外層には、防水透湿生地のドライスーツやドライトップを着用。その中に、フラッドラッシュとアクティブスキンのレイヤリング、。さらに保温性が欲しい時や、汗の処理をしたい場合は、フラッドラッシュとアクティブスキンの間にメリノスピンライトを着用する。

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