ドライを重ねる 5レイヤリング

8/272026

【Made in Japan】日本を旅した一本の糸が雪山の頂上に届くまで ~エバーブレス®スノーライン~

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~2026秋冬新商品「エバーブレス®スノーライン」開発STORY~
finetrackのL5アウターシェルシリーズ中でも最高レベルの運動性能を実現させ、雪山登山でもバックカントリーでも使いやすい雪山仕様のハードシェル「エバーブレス®スノーライン」。2026年秋冬でカラーラインナップを一新して再登場したこのシェルには、多くの職人による高い技術が隠されています。その一端を担うフィルム・ラミネート工場、テックワンを取材させていただきました。

雪山を自由自在に遊べるシェル

冬のアクティビティに自由と快適さをもたらすアウターシェル「エバーブレス®スノーライン」。このシェルが生み出された背景には、雪山をボーダーレスに遊ぶ人たちの姿があります。厳冬期の登山やクライミング、バックカントリースキーなどを想定したこのシェルにファイントラックが求めたのは、体の動きを妨げないストレッチ性と、雪や雨をものともしない防水透湿性の両立でした。

とりわけこだわったのが、従来の一般的なシェルでは十分に発揮できなかった縦方向のストレッチです。例えば雪山を滑走する場面では、常に変化する雪面に対応しながら、柔軟に膝を屈伸させるなどして滑る必要があります。この激しい動きに対応できるシェルが実現すれば、雪上の遊びはより自在なものになります。


撮影:安食昌義 ライダー:谷 剛士 ロケーション:カナダ・バンフ国立公園

しかし、一般的な防水透湿膜を備えた生地には、硬く、伸びにくく、こすれて音が立ちやすい弱点が。これらの常識を乗り越えるには、糸の選択そのものから見直し、緻密な製造工程を組み立てる必要がありました。このシェルが最高峰の機能性を得るまでの、職人技が連なる長い旅路をご紹介します。

旅の起点は、一本の糸から

すべての始まりは、東レが開発した特殊ナイロン複合糸。一本の糸に異なる2つの成分を組み込み、構造の工夫により高いストレッチ性を実現しました。その糸を採用したエバーブレス®スノーラインの生地は、摩擦による外観変化を抑えながら、雪山での使用に求められる耐久性も備えています。

ただし糸の採用はあくまでも出発点。糸の持つ繊細なストレッチ性は、織りから染めへの工程で失われてしまうリスクと隣り合わせです。張力の精緻な調整のもと織り上げる工程や、生地を引き伸ばし、熱を加えながら行う染色の工程は、片時も油断できません。これらの工程は、高い技術力を持つ協力企業の手に託され、縦にも横にもしなやかに伸びる生地へと仕立てられます。ここまでが紡糸→織り→染色という旅程。道のりはなおも続きます。


画像はテックワンにて見せていただいた染色機

引き継いだ特性を守り、さらなる高みへ

次の目的地は、織物加工を得意とするテックワン(石川県能美市)。1962年創業の同社の歩みは、傘生地のプリント加工から始まりました。そこで培った撥水・防水の技術を武器に2000年ごろ衣料向けのフィルム・ラミネートへと進路を変え、四半世紀にわたり技術を磨き続けています。


テックワンの社屋外観

抜群のストレッチ性を備えた生地は、このテックワンのもとで更なる進化を遂げます。防水性能を示す耐水圧は、傘の約500mmに対し、エバーブレス®スノーラインの生地は20,000mm。文字通り桁違いの性能が必要です。それでいて、激しいアクティビティでも衣服を快適に保つ透湿性も両立させなければなりません。


耐水圧を計測する機械。他にも生地の基本性能を調べるための試験機がテックワン社内に並んでいた

ハイレベルな防水透湿性は、表地と裏地の撥水加工と、3層構造の中間に挿入された多孔質メンブレンの「水は通さず水蒸気を通す」特性に支えられています。この高品質素材を安定供給できるのは、国内ではテックワンだけと言われています。さらに生地本来のストレッチ性を損なわずにメンブレンを貼り合わせることは至難の業。長年積み重ねたノウハウが、ここで発揮されるのです。


メンブレンを貼り合わせた生地は、丁寧に検反される。品質保持のために欠かせない工程だ


エバーブレス®スノーラインの生地。この裏地にも快適につながる技術が隠されている

さらにテックワンの品質へのこだわりが思わぬ副産物を生んだエピソードもあります。透湿性を長く保つために施した裏地の撥水加工が、汗によって衣服内が濡れる環境でも透湿性を維持する効果を生み、ひいては実際のフィールドでの快適な着心地につながったのです。細かな工夫や妥協なき挑戦が織り重なり、ときに偶然の産物も味方につけ、このシェルの機能性は高みへと到達しました。その後、生地は縫製工場→倉庫→販売店へと旅を続け、ようやく皆様のもとへ合流します。

雪面の遊びに欠かせない、頼れる相棒として

雪山では一つひとつの動作の確実さが、そのまま安全につながっていきます。また、衣服の濡れが低体温症に直結する可能性もあるでしょう。スノーラインの制作に携わった職人たちは膨大な試行錯誤を重ね、「雪山の厳しい環境で安心して使用できる一着」を目指し続けてきました。


取材中もエバーブレス®スノーラインの生地を触りながら、次の開発アイデアが飛び交っていた

冬のアクティビティを心ゆくまで遊び尽くせる機能性を備えたエバーブレス®スノーラインは、道中に現れるいくつもの関門を乗り越えることで完成しました。長い旅路の果てにたどりついた職人技の真髄を、ぜひ雪山で体感してください。


テックワン 髙様(左奥)、東レ 桒山様(右奥)、西村様(右手前)、finetrack田中(左手前)

※傘の耐水圧約500mm:一般的な撥水加工を施した一層の生地

雪山登山、BCスキー、冬季登攀など雪山をマルチに遊ぶ人のためのハードシェルジャケットです。
メカニカルストレッチによるストレッチ性を備えたリップストップ生地とカッティングの工夫により、高い運動性能を実現しています。
限りある雪のシーズンを、BCスキーから雪山登山、そしてアルパインクライミングまでボーダレスに遊ぶ人に、遊びの幅を広げたい方に、ぜひ使っていただきたい一枚です。

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