
~2026秋冬新商品「ドラウト®ラルゴ」開発STORY~
行動中にアウターを脱ぐ場面の多い、春秋や残雪期の登山。気温変化の大きいシーズンに自然に着続けられる、ほどよいフィット感と保温力を備えたL2ベースレイヤーが新登場。開発の裏側を、商品企画を担当した夏見と、生地開発を担当した田中に聞きました。
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――「ドラウト®ラルゴ」はどんな一着を目指して開発がスタートしたのでしょうか?
夏見:「一枚で動ける」を叶える、新しいL2を目指しました。肌寒い季節の山において、アウターを脱いだ瞬間にも、自然に着られる一着にしたいと考えていました。

商品企画を担当した夏見
――具体的には、どんな課題感があったのでしょうか?
夏見:秋から春にかけての登山や残雪期では、気温によってレイヤリングが大きく左右されます。私はこの時期のベースレイヤーは、タイトフィットなためにインナー感の強いメリノスピン®ライトと、レギュラーフィットだけれど気温によっては一枚では保温力に不安のあるドラウト®クアッドとの使い分けが主でした。
そして、その間にある「ちょうどいい選択肢」が欠けていることが、ずっと課題だと感じていました。
――「ちょうどいい選択肢」とするために、どんなところにこだわったのでしょうか?
夏見:アウターを脱ぎ着することが多い季節だからこそ、ベースレイヤー単体(下にドライレイヤー®を着た状態)でも使いやすい「バランスの取れたフィット感」と「安心して着続けられる保温力」を追求しました。
体のラインを拾いすぎない、ゆとりのあるレギュラーフィット
――「バランスの取れたフィット感」は、どのように仕上げていったのでしょうか?
夏見:汗処理能力だけではなく、「アクティビティに見合った着心地」も大切な機能のひとつです。ドラウト®ラルゴはドライレイヤー®やミッドレイヤーとのレイヤリング(汗処理)との兼ね合いを考慮しながらも、幅広いシーンで着やすいように、ほどよいゆとりのあるシルエットに仕上げました。
――実際に袖を通してみると、柔らかい生地も相まってリラックス感がありますね。
夏見:そうですね。腕を通した瞬間に風合いのよさが伝わると思います。行動中だけでなく、山小屋や移動中もアウターを脱ぐことは多いと思います。そんな、「くつろぐひとときにも心地よく過ごせる佇まい」を意識して開発しました。

柔らかな肌触りとゆとりが生み出す心地よさ
――夏見さんが求めていた「安心して着続けられる保温力」は、生地面ではどのように実現したのでしょうか?
田中:目指したのは、薄手のベースレイヤーと、ウールなどの高保温タイプのベースレイヤーの、ちょうど中間にあたる保温力です。アウターを脱いでも心もとなさを感じにくく、行動中に暑くなりすぎることもない。そんな絶妙なバランスを狙って設計しました。

生地開発を担当した田中
――保温力を高めるために、起毛素材を使うという方法もあると思いますが、あえて選ばなかったそうですね。
田中:そうなんです。起毛生地は温かい一方で、吸汗性が損なわれやすいというデメリットもあります。そこで、起毛に頼らない特殊な3層構造の生地を新たに開発しました。肌あたりの良いふくらみ感のある生地が、行動中でもほどよい保温性を生み出しています。

ほどよい保温性を実現するための生地開発
――保温性以外に、行動中の快適さを支える工夫はありますか?
田中:ポリエステル100%なのでウールに比べて速乾性が高いのに加えて、肌面に凹凸を設けることで、吸い上げた汗をウエアの外側へ素早く拡散させることができます。さらに生地をグリッド状にすることで適度な通気性も確保し、行動中にこもりやすい熱を効率よく逃がすことができます。
――速乾性や通気性があることで、汗ばむ行動中にも快適さが続くのですね。
田中:そうですね。行動中は汗ばむのに、立ち止まると一気に冷える。衣服の調整が難しい季節の山で「安心して着続けられる」ように、保温性だけでなく、速乾性や通気性をバランスよく取り入れました。

起毛に頼らない、特殊な3層構造の生地
――「くつろぐひとときにも心地よく」を叶えるための工夫はありますか?
田中:汗をかく山行中はもちろん、アウターを脱いでリラックスするような場面でも気持ちよく過ごせるよう、抗菌防臭加工もプラスしました。
――ニオイへの配慮は連泊の登山でもありがたいですね。
――ディテールへのこだわりを教えてください。
夏見:チンガードは同色系テープを使い、生地の厚みを軽減。ごわつきを抑えるとともに、ニュートラルな印象を目指しました。またファスナーの引手もスマートに溶け込むものを採用しています。

厚みを軽減したチンガード
裾には馴染みのよいロゴ刺繍を配し、外着としての完成度を高めました。

生地になじむロゴ刺繍
――カラー展開についてはいかがでしょうか?
夏見:カラーは、自然の中に溶け込みながら静かに存在感を放つ3色です。全体に落ち着いたトーンなので、他のウエアとレイヤリングする際にも合わせやすいカラーリングです。

着まわしたくなる落ち着いたカラーリング
――最後に、どんなふうに使ってほしいですか?
夏見:秋から春にかけての行動着として、「ちょうどよさ」を埋める新たなL2ベースレイヤーに仕上げました。シンプルなシルエットなので、山でのアクティビティに限らず、いろいろなシーンで気負わずに使ってもらいたいです。

(finetrackスタッフ 夏見・田中)
ほどよいゆとりと、ほどよい温もり。秋の登山や残雪期の登山にちょうどいい、ドラウト®ラルゴ。ぴったりしすぎないシンプルなシルエットで、アウターを脱いだあともそのまま自然に過ごせる一着。ふくらみ感のある生地がほどよい温かみを生み、吸汗速乾性能により汗をすばやく吸い上げて拡散します。