最強の5レイヤリングとは

マルチアクティビティプレイヤー: 丹羽 薫

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険しく、そして美しい。アメリカ屈指の山岳レース「Hardrock100」を4位でフィニッシュした丹羽薫さんから、Colorado 14ers(コロラドフォーティナーズ)の山行レポートが届きました! レース前の高度順応のために訪れたトレイル。まったり調整のはずが・・・。標高14000フィート=4,267mを超える峰々の息をのむ絶景、そして丹羽さんの予期せぬ冒険をお楽しみください!(finetrack編集部)

写真協力:Yukihiko Negoro

ロッキー山脈は、北はカナダから南はニューメキシコまで4,830kmにも及ぶ大山脈。
その一番高い部分がアメリカのコロラド州にあって、ロッキー最高峰のエルバート山をはじめ「14ers」(フォーティーナーズ)と呼ばれる14,000フィート(約4,267m)を超す山が、なんと53峰もある。
そのフォーティナーズは7つの山域にわかれているが、そのうちの1つ、San Juan Mountains(サンファン山域)で「Hardrock100」という160kmに及ぶトレイルレースが開催された。そんなわけで、コロラドフォーティナーズのサンファン山域にある2つの山に登ってきた。
そこには美しい緑、花々、湖と壮大な景色が広がっていた。

★<参考情報>コロラドフォーティナーズについてはこちら → https://14ers.com/

【緑と湖と花々】

最初はレースコースにもなっているHandies Peak ハンディースピーク14,048フィート(4,281m)へ。ここに行く途中の3,800mあたりに美しい湖があるので、高所順応もかねてその辺りでテント泊。そして翌日、山頂へ行くことにした。

【今回は寒さ対策も兼ねて、カミナドーム1で2人で就寝したが快適だった】

3,800mといえば富士山よりも高い標高。それでも、美しい緑や花々が美しい絨毯を作っている。
そして夏といえども高所だけあって、朝晩はぐっと冷え込み、気温は0度近くまで下がる。持って行っていたポリゴン2ULジャケット&パンツエバーブレスフォトン上下を着込んで、ポリゴンネスト6×4に入って静寂の中心地よく眠りにつくことが出来た。

【好奇心旺盛なマーモット】

朝起きて、ご飯を食べてテントの中で準備をしていると、テントの外でカサカサとテントをつつくような音がする。
カツンとコッヘルに当たる音も。。。
恐る恐るテントを少しあけて覗いてみると、マーモットが遊びに来ていた。
色々興味津々なようで、一度驚いて逃げていったが、またすぐに戻ってきた。
可愛くて思わず微笑む。

さて、いよいよハンディースピークへ!
とはいっても、テン泊地からそのまま登って終わりではなく、2度4,000m近くまで登って下ってを繰り返し、尾根を越えてハンディースピークにとりつく。
その途中に美しい湖も広がっていた。

【Handies Peakに登りながら途中のSloan Lakeスローン湖を望む】

さすがにハンディースピークにとりつくと、緑は消え、細かく砕かれた岩山となる。
山頂直下は急傾斜で、この標高になると息も切れるけど、テクニカルな場所はなく、誰でも楽しめる山だ。
そして登りきった山頂からは、息をのむほどの絶景が眼下に!
ロッキー山脈が果てしなく続く壮大なスケールの360度パノラマを楽しむことができた。

【これを見た瞬間息をのみ、疲れが吹っ飛んだ】

【Handies Peakハンディースピーク山頂。特に道標はないので、山頂サインを自作して持参していたハイカーさんにお借りした】

2つめのフォーティナーズはMt. Sneffels (スネッフェル山):14,150フィート(4,312m)。
事前に入手していたフォーティナーズのマップに詳しい難易度(ちなみにハンディースはレベル1、スネッフェルス山はレベル3)やアクセス情報があり、私の借りていたSUVでは3,200mぐらいまでしか車で上がれず、その先はジープなどの車高の高い本物の4WDでしか行けない激しい道だということだ。

レース前のテーパリング時期(調整)に入っていたため、あまり長い距離は歩きたくないな・・・と思っていたら、ちょうど友人夫妻がジープを借りていて、スネッフェル山の麓にあるBlue Lakesという湖に行く予定というのでご一緒してもらうことに。

むち打ちになりそうなガタガタ道を越えて、車で辿り着いた先は既に3,800m!
富士山の山頂より高いところまで車で来れてしまう。
もうそれだけで既に満足しちゃうような景色(笑)

【この車の地点で既に富士山山頂ぐらいの標高】

まずは有名なBlue Lakesを見なければと、尾根を一つ越えて湖を目指す。

【向こうの尾根を越えると眼下に湖が広がる】

湖は3つで構成されており、そのうちの上部と真ん中の2つを訪れて折り返し。来た道の途中にあった分岐までもどり、そこからスネッフェル山へのアタックを開始した。

地図の距離情報では、この分岐からせいぜい1.5kmほど。
「まぁすぐに帰ってこられるだろう」と高をくくっていた。

この地では「Hardrock100」はみんなが知っているレースで、それを走る人はみんなリスペクトされるという文化があるようで、道中、ハイカーやトレイルランナーに「Hardrock100」のトレーニングか?と聞かれることが何度もあった。

そのうちの一人のハイカーに「山頂はもうすぐ?」と聞くと、苦笑いされ「まだ結構あるよ」と。
距離的にはそんなにないはずだし、すぐに到着すると思っていたので意外な返答だった。
しかし後ほど、この意味を痛感することに。。。

【ここで終わりかと思ったら、まだ写真の手前の方に登るのだった】

【これを登りきったら山頂かと思ったらまた騙された】

急斜面のザレ場が出てきて、その先に尾根がある。あの辺りがピークかと思って頑張って登りきってみると、そこから更に上へと急斜面の岩場が続いている。地図には上部は手を使って登るスクランブリングが必要と書いてあるから、これがそうかと思い、頑張ってガシガシ登る。

ん? おかしいな。

登りきったら山頂と思っていたら、地図で見てもどうも山頂とずれている。
アメリカの山は日本のように「○○山頂 ○○メートル」とか書いたものが建っているわけでなく、わかりにくい。

この先は、40度近くある崖のような崩れやすそうな窪み。地図的にはもっと左手の方にピークがあるはず。これはもしやこの窪みに一度下りて、左手の崖を登り返すのか・・・?

いやいやまさかと思い、他のルートを探って岩場を登りかけるが、もはやスクランブリングと言うよりボルダリング。これ以上行くと下れなくなると思い引き返す。やっぱりあの窪みを下りなきゃダメかと思い、恐る恐る下ってみる。
ガラガラと簡単に地面が崩れ、岩が落ちていく音がする。。。
落ちたらおしまいだなと思い慎重に。。。

その先、ようやく左手に登れそうな所があり、道は合っていたよう。
きっとこれを登りきったら山頂なんだろうと思い、慎重に登った。・・・が、まだ上があった!
一筋縄ではいかない。

【この下から登ってきて、写真右手前のほうにあるはずのピークに辿り着く道を探す】

【今度こそこれを登ったら山頂かと思ったが、まだもう一段上があった。】

そこから少し傾斜はましになったが、相変わらず手を使わずには登れない。
ハイカーが言ってた「まだまだ先だよ」というのはこういうことか、と腑に落ちる。
やっと山頂らしき所に到達。
そこにはちゃんとブリキの登頂記録をいれる箱が置いてあり、Mt.Sneffelsと書いてあった! 今度こそ間違いない!

【スネッフェル山頂】

息をのむ景色が眼下に広がる。
ハンディースと違って、もっと荒々しいピークで山頂も狭い。
眼下にはBlue Lakesで訪れなかった下部の大きな湖も見え、非常に険しくも美しい山々の連なりが見える。
これは一見の価値ありだし、苦労して登った分、喜びもひとしお。

【一番奥に訪れなかった3つめの湖が見えた】

一緒に登ったYukiさんと感動を分かち合い、Yukiさんの奥さんを下で待たせていたため、急いで下山する。
でも下山も、一筋縄ではいかない。

【雪解けでもろくなっているので要注意】

まずV字状になったところを下って登り返す。
そしてやっとガレ場の下り。既にハイカーなどがいなくなっているので、ガラガラと崩れる岩を気にせず、滑り落ちるように急傾斜のガレ場を下る。

急いで下ってきて、奥さんのMihoさんの姿が見えたときにはホッとした。
大腿四頭筋には、ものすごい疲労感が。。。
Yukiさんと「これテーパリングと言うよりトレーニングになっちゃいましたね」と笑いあう。

山頂で見た景色と、2人で分かち合ったちょっとしたアドベンチャー感は最高で、滞在中一番の山行となった。
そしてまた「Hardrock100」に参加できることになったら、他のフォーティナーズも挑戦してみようと思った。

いつかきっと、53峰すべて制覇してみたい!

マルチアクティビティプレイヤー
丹羽 薫

国内外の大自然と会話をしながら、マウンテンランニング・登山・バックカントリースキーと、その瞬間のベストな遊びで「完全な自由」を探求するマルチアクティビティプレイヤー。
その活動は同性から高い支持を集める。
また自他共に認める愛犬家の一面も。