DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 柴崎 篤信

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スタッフの遊び記録
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3年前、大雪山系のお花畑が美しい7月中旬に、旭岳から十勝岳へ縦走した。白雲岳で北海道在住の写真家の方と知り合い、6月から7月上旬くらいまで大雪山系に現れるハイマツと雪渓が織りなす光景「ゼブラ雪渓」の話をきいた。それ以来、ゼブラ雪渓という言葉がザックの奥底にひっそりと残されたままだった。今回は、そんなゼブラ雪渓をもとめ、再びこの地を訪れた。

■アクティビティ日:2023年6月11日 ~ 2023年6月13日

ずっと存在が気になっていた「ゼブラ雪渓」。
今回、幸運にも6月中旬に休みの調整がつき、羽田から飛行機に飛び乗った。

飛行機にはガスカートリッジを持ち込むことができないため、旭岳ロープウェイの売店で販売していることを事前に確認。ロープウェイに乗り込む直前にガスカートリッジを購入、最終準備をととのえる。

残雪の残る姿見の池と旭岳

姿見の池から見上げる旭岳は、春夏秋冬いつ見ても絵になる。

ロープウェイの駅から旭岳までは夏道。粛々と高度を上げていく。これから進むトムラウシ山方面にゼブラ雪渓がみえ、思わず表情がほころぶ。

残雪期の終盤にあたるこの時期は、スキーを担ぐ方、高校山岳部のトレーニングなどで頂上も賑やか。さすが、北海道最高峰の旭岳。

綺麗に晴れ渡った旭岳からの眺望

旭岳から裏旭岳幕営地への下りは雪渓。


天気が良く熱くなった身体を、雪渓でクールダウン

白雲岳の手前から雪の量が増えてきた。夏道は雪の下のため、GPSで現在地を確認しながら進む。トラバースする場面では、チェーンスパイクを装着。キックステップを活用しながら慎重に進んだ。

ゼブラ雪渓とこれから進む白雲岳方面をみつめる

白雲岳避難小屋には14時頃に到着。

雪渓の先に白雲岳避難小屋を視認、1日目のゴールを確信

3年前は改装中のため、宿泊できなかった白雲岳避難小屋。綺麗な2階建てで、近くに水場も完備。トイレもあり、申し分なし。なお、ゴールデンカムイも全巻完備していた。

避難小屋の窓からみるトムラウシ方面の景色に胸を震わせる。

季節限定の借景として心ゆくまで楽しむ

2日目の朝、この日も好天。標高1700m付近にひろがる高根ヶ原を眼下に望む。この景色、この絶景をもとめて大雪山系に遊びに来た。

小屋の前から再び雪渓歩き。360°の大パノラマ、ゼブラ雪渓を心ゆくまで堪能する。

3年前はお花畑の絨毯、今回はゼブラ雪渓を含めた景色

大雪山系の花は、6月下旬から7月中旬が最盛期。お花畑になる直前、まさに今時期だけの貴重なゼブラ雪渓を脳裏に焼き付ける。

北海道ならではの光景。撮影ポイントが多く歩みが進まない…

目の前をエゾウサギが横切ったり、エゾリスが先導してくれたり、快適な登山。

細かいアップダウンを繰り返し忠別岳まで進む。


2日目、晴天に恵まれて縦走日和

以前は見渡す限りチングルマの絨毯だったところも、今回は一面の大雪原。化雲岳から先は残雪も多く、ルートファインディングをしながら進む。

昨日の朝、遠くに見えていたトムラウシ山が目の前に迫ってきた。


明日、再びトムラウシ山にいける喜びをかみしめる

キバナシャクナゲが咲き始めたところ、お花畑の見ごろはまだまだ先の話

この日は、ヒサゴ沼避難小屋に宿泊。


この日の宿泊は自分だけの貸し切り

ルートファインディングを含めて山を楽しめるのが残雪期

3日目、ヒサゴ沼避難小屋から出発、トムラウシ山への稜線にいたる夏道は雪の下。自分の実力と相談しながら、過信せずに雪の壁を楽しむ。

天沼の手前までショートカットして、トムラウシ山にある日本庭園の直下に到着。

山遊びをしていると、年に何度か絶景に出くわす。そして数年に一度、これまでの記憶にはないくらい美しい構図と遭遇する。光と影と自然が織りなす光景は、カメラで切り取る以上の迫力があり、喜びの瞬間だ。


朝日が木道を照らした一瞬があったが、シャッターチャンスを逃す

危険個所を通過して、木道にでたときには思わず咆哮した。大自然が微笑みかけてくれたようだった。

こんな瞬間があるからこそ、山遊びには中毒性があり、世の人々を駆り立てるのだろうと勝手に納得して、トムラウシ山方面に歩みを進める。


静かに、この季節だけの絶景を堪能し尽くした

トムラウシ山頂に到着。雲の切れ間から時折顔を出す、ここまで歩んできた旭岳方面の道のりを見渡しながら、カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)を瞼にやきつける。


雲の切れ間から今回の縦走起点の旭岳がみえる。ルートを思い出し、達成感にひたる。

トムラウシ山からの下山時は、霧がかかり、時に雨模様。とはいえ、3日目の途中まで晴れていたのだから、それ以上は何も望まない。コマドリ沢出合いまでは、スキー場のような状態。今後、同じ時期に訪問するならば、スキーを持ち込もうと固く決意した。

雪はまだまだ残り、標高が下がるにつれてツボ足の踏み抜きもふえる。最後は、ヒグマの落とし物に遭遇しながらも、無事にトムラウシ温泉東大雪荘まで下山。

振り返れば、行きたかったルート、見たかった光景とすべて巡り会えた大満足な縦走だった。

 

遊びのMVPアイテム

小雨・風を防ぎながら、縦走中に汗ばんできたら、ベンチレーションを開放して換気。蒸れを逃がしながら、快適な縦走登山を実現してくれる。どっちつかずの山の天候に、心強い相棒がフロウラップだ。

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