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【前編】100kmトレランレース挑戦前に読んでほしい。奥信濃100を走ったfinetrackスタッフが語る、コース戦略と補給のリアル

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投稿者: fun to track編集部 撮影:松井、田中

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スタッフの遊び記録
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2026年6月、長野県木島平村を舞台に開催された奥信濃100。累積標高4,800m、エイド8箇所・関門7箇所という100kmトレイルランニングレースに、finetrackのスタッフ2人が挑戦した。

カスタマーサービス課の田中(33歳)は、トレイルランニングレース経験わずか2回目での100km挑戦。マーケティング課の松井(50歳)は昨年の奥信濃100の50km部門を経て、今年ついに100kmへのステップアップを決めた。

2人に話を聞いた。

■アクティビティ日:2026年6月6日~6月7日

マーケティング課の松井とカスタマーサービス課の田中
マーケティング課松井(左)とカスタマーサービス課田中(右)

——まず自己紹介をお願いします。

田中:普段は山登りや沢登り、クライミングをやっています。トレイルランニングはまだ始めて間もなくて、レースは今回が2回目でした。前回は42kmのレースだったんですが、今回いきなり100kmに挑戦しまして。周りからは「厳しいのでは」と言われていました(笑)。

奥信濃100のスタート会場に集まる参加者
全コース合わせて約1,500名が参加する人気のトレイルランニングレース「奥信濃100」

——2回目で100kmはなかなかですね。松井さんはいかがですか?

松井:普段は歩きの登山を中心にトレイルランニングもしていて、トレラン歴は10年ぐらいです。100kmは今回が初めてで、今まで最長は56kmくらいだったので、完全に未知の領域でしたね。

——2人とも、目標は完走という感じでしたか?

田中:そうですね。まずは完走というのが第一でした。

松井:私もそうなんですけど、実は1ヶ月前にふくらはぎを肉離れのような感じに痛めてしまって。練習も積めてないし、不安だらけで。スタートするまでずっと憂鬱でした。自分で申し込んでおいてね(笑)。スタートしたらやるしかないので極力抑えて入りました。

【コース戦略】完走とDNF、2人の分かれ目はどこだった?

——レースを振り返って、まず率直な感想を聞かせてください。

田中:結果的には19時間43分で完走できました。走っているうちにトレイルランニングの楽しさを感じられて、出てよかったと思っています。

奥信濃100のコースマップ
奥信濃100コースマップ(参照:奥信濃100公式サイト)

松井:私はA4カヤの平❶、ちょうど48km地点でDNFになってしまいました。100kmは未知の領域というのもあったし、体の不安もあったし。走り始めたら楽しめたんですが、うまくいかなかったですね。

——松井さんのDNF、どういう経緯だったんですか?

松井:コースはまず高社山という山をいきなり登るんですよ。標高1,352mで、ドーンと登りがくる。で、降りてから本沢川沿いをじわじわ登っていって、そこからA3〜A4の間に9kmくらいの下りがあるんです。ここをちゃんと飛ばさないと、A4カヤの平❶の関門に間に合わない設定になっていて。

高社山から街を見下ろす奥信濃100のコース
前半のハイライト、標高1,352mの高社山。

——その区間で何が起きたんですか?

松井:ルートミスをしてしまったんです。本沢川沿いのトレイルに入る前に、自動車用の案内板があって車道に入ってしまったんです。誰も来ないな、おかしいなと思って戻ったら、沢沿いの入り口が下の方に見えて。そのロスもあってか、A4の関門で8分オーバーでDNFになりました。

——8分オーバーは悔しいですね……。

松井:身体自体はまだいける感覚はあったので、そのまま走り続けようと思ったのですが、ゼッケンがないと安全管理上、続行できないとのことで、悔しかったですね。ルートミスがなければとは思いますが、でもそれを含めて自分の責任なんでしょうがないです。

——田中さんはペース配分、どう考えていましたか?

田中:事前に生成AIにペース表を作ってもらいました。「奥信濃100を21時間以内で完走したい、ペース配分を教えて」って入力したらエイドごとの通過時刻が出てきたので、それを後半だけ自分用に調整して、スマホに入れておきました。

松井:それは面白い。自分はそういう発想がなかった。

田中が生成AIを使って作成した奥信濃100のペース配分表
田中が生成AIと作ったペース配分表

田中:今回、AIが出したタイムは機械的で、後半の体力低下が考慮されていなかったんですよ。だから後半は少し余裕を持たせるように調整しました。実際85kmを過ぎたあたりで足がもう動かなくなって、地面を這うムカデ並みの遅いペースになったんですが、「このままでも、歩き続ければゴールできる」という計算が頭にあったから踏ん張れました。

松井:私は、そもそも時計に縛られたくないというのがありはしたんですが、前述のとおり関門は制限時間内に通過しないとダメですね。帰ってきてから同じように生成AIで制限時間表を作ったんですけど、なるほど、このペースで行かないとダメだったんだ、って。完全に反省型の活用になりました(笑)。来年は事前にちゃんと作ります。

——50kmと100km、関門の厳しさって違いますか?

松井:違いますね。去年の50kmのとき時計を見なくてもまあまあ余裕ありました。だから今回もあえて見ないで、楽しく走ろうと。それでいこうと思ったら、100kmでは厳しかった。またタイムを意識した練習をちゃんと積まないとですね。

奥信濃100のコースから景色を眺める松井
時計をあまり気にせずに走った松井。DNFとなったものの、景色は堪能できたそう。

100kmを走り切る「補給食」と「水分量」のリアル

——補給まわりの話を聞かせてください。田中さんは前日からかなり食べたそうですね。

田中:1日4食食べました。朝は米と卵をたっぷり食べて、ハンバーガーも食べて、昼は牛丼、夜はチキンステーキを食べて。力を蓄えておこうと思って。

松井:サービスエリアで超大盛牛丼を食べてたよね(笑)。

レース前夜に田中が食べたチキンステーキ
前夜はしっかり食べて力を蓄える。

田中:食べました(笑)。当日はスポーツ向けジェルを10本持参しました。「100kmだから10本」という雑な感じで、10kmごとに1本補給していました。カロリー計算はしてないですけど。

——松井さんはどうでしたか?

松井:食べ物は小さいドーナツとかクッキーとか自分で多めに持参して、お腹が減る前に食べるようにしていました。重くなるんですけど、エイド頼みでシャリバテするよりはいいかなと思って。あと、塩のタブレットがいい仕事をしたような気がします。

奥信濃100のエイドで補給する参加者
エイドの様子

——エイドの食事で印象に残っているものはありますか?

田中:最後のA8糠千❷(約95km地点)あたりで豚汁が出てきて、あれは本当に嬉しかったですね。

松井:A4での(DNF後の)いなり寿司が一番おいしかったです。もう他に走ってくる人もいないし、いくら食べてもいいっていう状態で(笑)。

田中:うらやましい。

——水分量の目安はありますか?

日中の奥信濃100のコース風景
日中は気温が上がる。自分に合った水分量を用意することも重要。

田中:自分は水を1L常備して、エイドで補充する感じでした。

松井:私は1.2Lを持って走りました。それでちょうどよかったですね。やっぱりそこは練習で自分に合った量を見極めておくのが大事だと思いました。

混雑する奥信濃100前半のトレイル
混雑しやすい前半、トイレ休憩をどこで挟むかも戦略のひとつ。

田中:あとトイレ問題も地味に大事で。ある区間でどうしてもトイレに行きたくなって、そのことばかり考えながら走っていました。

松井:最初の方のエイドはトイレが混むんですよね。だから、水分量にも気を配りつつ、行くなら参加者の間隔が開く後半のエイドで済ませるのがいいと思います。前半のトイレはかなり並ぶようで10分待ったという声も聞こえてきましたから。

——トイレ問題は盲点でした(笑)。

コース戦略と補給について語ってもらった前編はここまで。後編では装備とウエア選び、エイドの温かさ、そしてfinetrackが奥信濃100のコース整備に関わる理由について聞いていく。

取材・文:fun to track編集部

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