DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

投稿者: 三宅 毅

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~2022秋冬新商品「ドラウト®クロー」開発STORY~
秋冬のハードなアクティビティに絶妙な、汗処理能力と保温性、通気性のバランスを備えたミッドレイヤー「ドラウト®クロー」が2022年秋リニューアル!
春~夏に使い倒せる機能バランスの良さが特長ですが、そのバランスを追求するには革新技術を集結させた繊維開発と生地開発、そして何度にもわたる試行錯誤が必要でした。
その開発背景をお届けします!

 

目次

  1. より長く快適に使えるミッドレイヤーを
  2. 吸汗拡散性をより長く
  3. 生地表面の耐久性を向上

より長く快適に使えるミッドレイヤーを

ドラウト®クローは高い汗処理性能と適度な保温性で、秋冬の運動量の多いアクティビティに対応する行動用保温着です。
そんなドラウト®クローを、より長く快適にお使いいただきたいという思いで、この秋、生地を一新してのリニューアルを行いました。

大量の汗を処理する吸水蒸散性と、静止時の適度な保温性という、前モデルのコンセプトは継承しつつ、しなやかな伸びも加わって着心地がさらに良くなり、幅広いシーンで長く使い倒していただける一着を目指しました。

吸汗拡散性をより長く

「より長く」ということでまず着目したのは、前モデルから好評だった汗処理機能のさらなる洗濯耐久性でした。

冬期のハードなアクティビティを想定したドラウト®クローには、大量の汗を処理する能力が必須です。
独自のドラウト®構造のニット生地により、裏面から汗をどんどん吸い上げ、表面へ素早く移行し蒸散させる高い吸汗蒸散性。
この機能を、繰り返しの使用や洗濯を経ても失わないよう、いかにして耐久性を持たせるか。そこが今回のリニューアルの要でした。

疎水性であるポリエステルは、親水性の薬剤で加工することで吸汗機能を付与するのが一般的なのですが、使用や洗濯を重ねると薬剤は徐々に脱落し、吸汗効果が低下してしまいます。

そこで、新ドラウト®クローは、ポリエステル自体を親水性に変える特殊な改質加工を採用。
薬剤加工と同等の吸汗性を獲得した上に、長期の使用にも耐えうる吸汗蒸散性を備えることができたのです。


汗をどんどん吸い上げていく裏地

また保温性を生み出す手法として一般的な起毛ではなくループパイルを選択したことで、繊維の乱れが起こりにくく、ループに触れた汗が途切れることなくスムーズに吸汗拡散することから吸汗性能の耐久性向上にも良い影響をもたらしています。

ループパイルの生地はしなやかで伸びが良く、着心地の向上にも寄与しています。

生地表面の耐久性を向上

アウトドアウエアを長持ちさせるためには、生地表面の強度も重要です。
しかし、一般的にニット生地は藪や棘との接触や、粗い物との摩耗によるダメージに弱い傾向があります。表面強度を高めるほどに吸汗性能は犠牲になりがちで、高いレベルで強度と吸汗性能を両立させるのは困難を極めます。

ドラウト®クローでは、表面の強度に配慮した太さの糸を選定しつつ、裏面や中層の糸の選定や編地設計に工夫を凝らすことで、生地の表裏の繊維量に差を設け、毛細管現象による生地表面へのスムーズな水分移行を実現しました。


生地表面の編み目が細かく平滑なことも耐久性の向上に寄与している

吸汗の持続性と生地強度の向上を果たした新ドラウト®クロー。

秋冬の登山、トレイルラン、BCスキーなど、汗濡れに悩みがちなアクティビティで、みなさまの相棒として長くご愛用いただければ幸いです。

(finetrackスタッフ 三宅 毅)

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