DRY LAYERING ドライを重ねる 5レイヤリング

11/22023

【特別企画】野村良太さん×エバーブレス®アクロ 前人未踏のチャレンジを支えた「頼れる秘密兵器」

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積雪期の北海道分水嶺を単独縦走した野村さん。話を伺ってみると、チャレンジを支えたのは、登山の技術やフィジカルだけではなく、ウエアの機能も大きいようです。そこで、チャレンジを支えたウエアへのこだわりを聞きました。

目次

  1. 前人未踏を達成!積雪期の北海道分水嶺の縦断
  2. 63日間のチャレンジを支えたウェアたち
  3. 着ていれば乾くから、着っぱなしでも不快感はない
  4. 状況に合わせてトップスのレイヤリングを調整
  5. ベンチレーターの積極活用でウエアの着脱回数を減らす
  6. リニューアルされた秘密兵器、新エバーブレス®アクロとの対面
  7. これから雪山を始める登山者にもおすすめしたい

前人未踏を達成!積雪期の北海道分水嶺の縦断

野村さんは、まだ雪深い2022年2〜4月に、宗谷岬から宗谷丘陵、北見山地、石狩山地、日高山脈を経て襟裳岬まで、北海道の背骨といえる670kmの山稜を63日間かけて単独で縦断しました。

その前人未踏の挑戦を評価され、2022年の植村直己冒険賞を受賞。国内の挑戦がこの賞を受賞したのは24回の歴史で初めてのことです。

63日間のチャレンジを支えたウェアたち

野村さんが北海道分水嶺の縦断で着用していたトップスのウエアは、たったの5枚でした。

 ーTOPSー

 ドライレイヤー®(L1):ドライレイヤー®ウォームロングスリーブ

 ベースレイヤー(L2):メリノスピン®サーモジップネック

 ミッドレイヤー(L3):ポリゴンアクトフーディ

 ミッドシェル®(L4):フロウラップ®EXPジャケット

 アウターシェル(L5):エバーブレス®アクロジャケット

穏やかに晴れた日も、雪がしんしんと降る日も、風が吹き荒ぶ日も、この5枚のウエアを調整しながら分水嶺を歩き続けたといいます。

ボトムスは基本的に、3枚をレイヤリング。

 ーBOTTOMSー

 ドライレイヤー®(L1):ドライレイヤー®ウォームタイツ

 ベースレイヤー(L2):メリノスピン®サーモタイツ

 アウターシェル(L5):エバーブレス®アクロパンツ

気温が高いときにはメリノスピン®サーモタイツを脱いで調整していたようです。

着ていれば乾くから、着っぱなしでも不快感はない

ー63日間もずっと同じウエアだったんですか!?

着替えは持っていきませんでした。今回着用していたウエアは乾くのが速く、濡れたとしても着ていれば乾かすことができるので。ずっと着っぱなしでも、不快に思ったことはありませんね。自分がただズボラなだけかもしれませんが。

ーソックスとか小物類も、ウェアのようにずっと同じだったのでしょうか?

ソックスだけは5足持っていきました。足元の濡れは凍傷のリスクにつながるので、多めに予備を持っていきました。

テント場用に1足目、行動用の2足目と3足目をローテーションで回して、ローテーションの予備として4足目。5足目は緊急時用の最終予備。

行動で濡れたソックスは、行動を終えてテント内に入ったら、メリノスピン®サーモとポリゴンアクトの間に入れて体温で乾かしていました。

ー凍傷はチャレンジの成功を左右しかねますよね。北海道分水嶺を縦断しているときは、風や気温はどんな環境だったのでしょうか?

風が強いときには、風速20m/sを超えていそうな日もあって、風速を行動基準の判断材料にもしていました。

風速10m/sくらいまでは「動ける」
風速15m/sくらいは「んー、頑張らなきゃな」
風速20m/sにもなると、「コスパが悪いので停滞(体力消費に対して進める距離が短い)」

といったように判断していました。

気温は、最低気温が平均でマイナス15℃くらいですね。一番寒い日にはマイナス20℃近くになっていたと思います。北海道分水嶺縦断を2~4月に計画したのは、マイナス25℃にもなる過酷な厳冬期を回避するためでもありました。

状況に合わせてトップスのレイヤリングを調整

ー想像以上にシビアな環境ですね。たった5枚のウエアで、どう調整していたのでしょうか?

天候によって、トップスのレイヤリングを調整していました。

基本はドライレイヤー®+ベースレイヤー+ミッドレイヤー+ミッドシェル®の4枚のレイヤリングで行動していました。

ミッドシェル®の「フロウラップ®EXP」は、保温性も耐風性もあるのに汗抜けもいいのでアウターとしても使いやすく、本当に活躍してくれました。天候が安定していれば日中はあたたかいので、ミッドレイヤーの「ポリゴンアクト」を脱いで保温性を調整します。

風もない穏やかなときは、「フロウラップ®EXP」を脱いで「ポリゴンアクト」をアウターにして過ごしていました。「ポリゴンアクト」は程よく通気性があるので、熱が発散されて汗をかきすぎずに行動することができました。また汗をかいてしまった時でも、吸汗蒸散性があるので汗や蒸れによる濡れを感じにくかったのはありがたかったです。

強風・悪天時には、アウターシェルの「エバーブレス®アクロ」を着用して、しっかり防風していました。でも、行動すると暑いので、「ポリゴンアクト」は脱いでいることが多かったです。

ーエバーブレス®アクロジャケットはあまり着ないんでしょうか?

5枚のウエアをすべて重ね着する「5レイヤリング®」をしなければ行動できないほどの悪天は、消費するカロリーに対して進める距離が短いので、基本は停滞を考えます。

でも、行程やその後の天候次第では、強行してでも進まなければいけない時もあります。そんなときには、エバーブレス®アクロがあるからこそ動けるんですよね。

シビアな環境で頼りになるエバーブレス®アクロがあるからこそ、ちょっとやそっとの不安定な天候でも4枚のレイヤリングで安心して行動できるし、心に余裕が持てます。まさに秘密兵器ですよね。

ー天候をしっかり判断しているんですね

実は、チトカニウシ山では天候判断を間違いました。

天気予報などからいけると思ったのですが、予報は外れて風速30m/sはあるかのような猛吹雪に遭いました。耐風姿勢から少しでも顔を上げた瞬間に山からはがされそうになるほどで、一瞬も油断ができませんでした。

「これはやばい、あと30分吹かれたら動けなくなる」と、山に這いつくばるように一心に動いて、なんとか風下に逃げることができました。尾根筋を避けて下りましたが、スキーを履いているのに、太ももまであるラッセルでした。あんなのは初めてでしたよ。

そのときはさすがに5レイヤリング®でしたね。

ベンチレーターの積極活用でウエアの着脱回数を減らす

ートップスは状況に合わせて調整されていたようですが、ボトムスはどうしていたのでしょうか?フィールドでのボトムスの着脱は、トップスより面倒ですよね?

気温や天候によって、メリノスピン®サーモを脱ぎ着して調整していました。朝起きて寒いなぁと思いながら、日中の暑さ対策に備えて脱ぐんですけど、これがまた……。

行動中でも暑くなればメリノスピン®サーモを脱ぎます。朝と昼で気温が全然違うので、ボトムスの温度調整も大事です。

ーそこまで温度調整するのは、なぜでしょうか?

外気温が低いのに、汗をかくメリットはありません。汗冷えや無駄なカロリー消費に繋がってしまうので、できるだけ汗をかかないように行動することが大事です。

30~40kgもあるバックパックをいちいち下ろしてレイヤリングを調整するのは大変だし、面倒なんですけどね。でも、温度調整をしないでいると、不快なまま1~2時間行動して、不快が積もりに積もって足が止まってしまい2時間も3時間もダラダラ動けなくなってしまいます。

汗をかくほど暑くなりすぎないように調整すると、体がのぼせるオーバーヒートも防げて、ムレ感も軽減できるので快適です。僕は基本的に面倒くさがりですが、温度調整の手間よりも快適さが重要だと体が理解しましたね。

ーたしかに、シビアな環境ほど温度調整は大事ですね。

エバーブレス®アクロにはジャケットにもパンツにも、ウエア内を換気できるベンチレーターがあって、すごくいいですよね。ウェアを脱ぐほどでもないけど汗をかきそうな微妙なときに、ベンチレーターを開けるだけで簡単に温度調整ができるんですよ。ウエアを脱ぐ面倒がなくなって助かります。

エバーブレス®アクロジャケットのベンチレーターの位置がまたいいんですよ。サイドにあるので、バックパックやハーネスに干渉しませんし、行動しながらでもサッと開けられます。ガバッと開くので、風がしっかり通ってすごく気持ちいい。

ウエアに使いやすいベンチレーターがあると、自転車のギアが増えたみたいですよね。8速のギアから、10速や12速に増えると自転車でもシーンに合わせて微調整しやすくなるように、ウエアを着続けたままでも対応できる環境が広がるイメージです。 

ーエバーブレス®アクロのベンチレーターがお気に入りのようですね。

体では理解していもやっぱり脱ぎ着しての調整は面倒なので、ベンチレーターがあるのはウエアを脱ぐ手間がなくなって助かっています。

ベンチレーターだけじゃなくて、驚くほどストレッチして動きやすいですし、うまく言葉にできませんが、生地がしっかりしているためか安心感があるんですよね。

あと、ジャケットの襟元の呼気を逃がすブレスベンチレーターがあるおかげで、フロントファスナーを一番上まで上げても息苦しくならないのもいいです。

ーベタ褒めされていますが、ここがいまひとつなポイントはあったりしますか?

ブレスベンチレーターなんですが、長時間のシビアな環境だと凍り付いてしまうのがちょっと……さすがに仕方ないのかな、と。

それと、ジャケットのずり上がりを軽減するパウダーハーネスのホールド感がちょっと強い気がします。逆に突っ張ってしまって、ストレッチ性や動きやすさが損なわれてしまうのがもったいないですね。

ーエバーブレス®アクロパンツに対しては何かありますか?

僕のレイヤリングの仕方だと、シルエットが少し大きく感じます。いまはLサイズを履いていますが、Mサイズのロング丈があるとちょうどいいイメージです。

でもそれは、ミッドレイヤー(L3)、ミッドシェル®(L4)を着ていないからかもしれないですね。これから購入を検討される方は、どう使いたいかをイメージしてサイズ選びをした方がいいと思います。

あと、前立てにファスナータブが欲しいですね。これは自分で付けたのですが、用を足すときって緊急性が高いので、グローブを付けたままでもスムーズに開けたいです。

パンツの裾の強度ももう少しあるといいですね。63日間も行動し続けていると、アイゼンで引っかけたりして破いてしまうんですよ。大きく破いてしまったところをテントの中とかで補修するんですけど、針と糸をもったのは小学校の家庭科の授業以来でしたよ。

リニューアルされた秘密兵器、新エバーブレス®アクロとの対面

ー実は2023年の秋冬にエバーブレス®アクロがリニューアルしました

いいですね、どこが変わったんですか?

 エバーブレス®アクロジャケットのリニューアルポイント

 ・バックパックのハーネスに干渉しない大型チェストポケットに

 ・ブレスベンチレーターはより呼気が抜けやすい仕様に

ポケットはアクセスしやすくなっていいですね。外したアウターグローブとかも入れやすそう。たしかに、一般的なアウターシェルのサイドによくあるハンドウォーマーポケットってバックパックが邪魔して、行動中には使いにくいんですよ。

ブレスベンチレーターは、ぜひ試してみたいですね。

 エバーブレス®アクロパンツのリニューアルポイント

 ・膝下に補強素材を配置して、よりタフに

 ・サイドの面ファスナーでウエストを調整する仕様にして、ハーネスとの干渉を軽減

 ・ベンチレーターを兼ねたサイドファスナーに、よりスムーズに開閉できる止水ファスナーを採用

ウエスト周りがすっきりして、ハーネスとかに干渉しなさそうなのがいいですね。サイドファスナーは、本当に開け閉めしやすくなって、うれしいです。これで、より体温調整がしやすくなりそうです。

大腿部ポケットもスマートになって、格好いいデザインになりましたね。

膝下の生地の強度が上がったのもいいですね!

これから雪山を始める登山者にもおすすめしたい

ー登山ガイドとして、お客さんを連れて山に入っているんですよね。

北海道内であればどこでもガイドしていますよ。夏山登山や縦走などの宿泊を伴った登山、冬は日帰りで登れるライトな山をお客さんと登っています。なかでも得意というか好きな山域は、やっぱり大雪山系ですね。

スキーガイドの資格も2022年に取ったので、2023年はそっちもがんばろうと思います。

ー野村さんがお連れするお客さんにもエバーブレス®アクロはおすすめできますか?

そうですね、自分でも使っていて安心感があるので、これから雪山を始める方にはおすすめですね。

でも、どんな山に登りたいかを考えてからサイズを選んだ方がいいと思います。エバーブレス®アクロは下に4枚レイヤリングすることを前提に作られているので。

厳冬期の山に登る場合と、ライトな冬山を登る場合には、その下にレイヤリングするウエアの枚数や厚みは変わってきます。ぜひ自分の登りたい山と、レイヤリングに必要なウエアをイメージして、試着してみてください。

 

【教えてくれた人】

野村 良太(のむら りょうた)さん

1994年大阪府生まれ。北海道大学ワンダーフォーゲル部で登山を始め、同部の主将を務める。2022年に、史上初となる単独・ノンサポートで積雪期の北海道分水嶺を縦断し、同年の植村直己冒険賞を受賞。現在は、札幌で登山ガイド(日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ)として活躍する。